検証・大震災

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検証・大震災:自衛隊員10万人、史上最大の作戦(2)米「何でも言ってくれ」 首相「まず日本がやる」(4/5ページ)

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 「できる限りのことをやるので、何でも言ってくれ」。3月11日の震災直後、東京・米空軍横田基地にある在日米軍司令部のフィールド司令官が折木良一統合幕僚長に電話で支援を申し出ると、すぐに連携が始まった。在日米軍司令部は連絡要員3人を防衛省に急派。統幕8人と「日米共同班」を設置、合同作戦のプランを練った。

 「救援のため速力を上げて三陸沖に向かっている」。同じころ、西太平洋を航行していた米原子力空母ロナルド・レーガンに米国防総省から災害派遣命令が出されたことが、首相官邸や外務省に報告された。空母派遣は日本の要請ではなく、米国の自発的な申し出だった。米軍の人道支援「トモダチ作戦」はこうして始まった。

 11日夜、東京・赤坂の駐日米大使館からは、A4判紙2枚に提供可能な支援内容約20項目を書いた「オファーリスト」が何度もファクスで外務省北米局に送られてきた。無人偵察機など原発対応の装備も含まれていた。

 これに対し、菅直人首相は官邸内での打ち合わせで「日本でできることは、米国に頼む前にまず日本がやる」と漏らした。危険な仕事を米国に押しつけるわけにはいかないというのが真意だったが、発言は外務・防衛当局に伝わり、「首相は米国の支援を断った」との曲解情報として流布される伏線になった。

2011年4月22日

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