福島初中関係者が県に要請 汚染除去、差別ない対応を
福島朝鮮初中級学校の教育会、保護者をはじめとする代表7人が8日、福島県庁を訪れ、放射線で汚染された校庭の表土除去費用を行政が負担するよう求める佐藤雄平福島県知事あての要請書を提出した。社民党福島県連代表の古川正浩県議が同行した。
要請を行った福島初中の関係者たち
|
一行は、福島第一原発事故により放射性物質で汚染された学校の現状について報告。原発事故対策において福島初中を対象から外さないよう求めた。
一行の要請を受けた県の担当者たちは、「朝鮮学校の状況がよくわかった。持ち帰って前向きに検討したい」と話した。
現在、文科省が設けている表土除去の放射線量の基準値は、毎時1マイクロシーベルト以上。しかし、独自の判断で、その基準値に満たなくても、除去作業を実施している自治体もある。
一方、福島初中の生徒たちは、新潟朝鮮初中級学校に拠点を移し、学校生活を送っている。
子どもたちと離れて福島で生活を続ける保護者たちは、校舎をはじめとする建物の放射性物質の除染作業を定期的に行っているが、校庭の表土除去作業を本格的に進めるには、重機が必要となり、相応の費用がかかる。
席上、福島初中教育会の沈龍漢会長は、同校の状況について説明しながら、子どもたちの不安、保護者たちの財政的な負担は大きいと指摘。福島初中にも周辺の日本学校と同じ対策を講じるよう求めた。
2人の娘を福島初中に送る高唯嗣さんは、今回の事態で、在日朝鮮人も日本市民と同じ福島県民として苦痛を経験しているのに、外国人学校ということで差別を受けることがあってはならないと述べ、生活基盤が福島にあるのでこれからもここで暮らしていくため、適切な対応をしてほしいと訴えた。
要請後、同校教育会の李漢洙副会長は、3月の大震災時、学校に避難してきた同胞、日本市民たちは、各地の総聯組織、同胞たちから送られてきた支援物資を分け合いながら共に過ごしたとしながら、震災の支援対策から朝鮮学校が外されることがあってはならないと指摘した。【福島支局】