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'11/7/23

個人献金72%が電力系 自民に09年、役員の9割以上


 自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の2009年分政治資金収支報告書で、個人献金額の72・5%が東京電力など電力9社の当時の役員・OBらによることが22日、共同通信の調べで分かった。当時の役員の92・2%が献金していた実態も判明した。電力業界は1974年に政財界癒着の批判を受け、企業献金の廃止を表明。役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、個人献金として会社ぐるみの「組織献金」との指摘が出ている。福島第1原発事故を受け、原子力政策を推進してきた独占の公益企業と政治の関係が厳しく問われそうだ。

 直近の09年分収支報告書に記載された献金者と電力各社や関連団体・企業の役員や幹部、OBらの名前を照合した。

 その結果、国会議員を除く個人献金計6485万円のうち電力業界全体で4702万円に上り、電力9社の役員153人のうち、141人が献金者に名前を連ねていた。

 09年分の献金額トップは東京電力の1427万円で、電力業界による個人献金の30・3%を占める。次いで中国電力が680万円、中部電力615万円、四国電力612万円、北陸電力313万円、北海道電力304万円、九州電力275万円、東北電力263万円、関西電力186万円―の順。献金は12月に集中し、組織的な関与がうかがえる。

 沖縄電力の役員らによる献金はなく、電気事業の普及啓発を担うとして電力各社でつくる業界団体「電気事業連合会」や各社関連会社の役員らは計27万円だった。

 総務省の公表で閲覧可能な収支報告書は07〜09年の3年分。国政協に対する個人献金のうち、電力業界からの献金割合は07年が63・5%で、5669万円。08年は70・1%に上り、5866万円だった。09年とほぼ同様の傾向が読み取れる。

 この3年間で、国政協に対する個人献金は東電だけが毎年1千万円を超え、他の電力会社を大きく上回っている。民主党の政治資金団体「国民改革協議会」の09年分収支報告書には、9電力各社の役員・OBらによる献金は確認できなかった。

【写真説明】 電力9社の国民政治協会への個人献金




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