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【社会】

人工妊娠中絶 20年で6倍に

2011年7月23日 夕刊

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 胎児が順調に育っているかを調べる妊婦の超音波検査(エコー)の精度が向上した影響で二〇〇〇年代後半の人工妊娠中絶の推定件数は、一九八〇年代後半の六倍超になったとの調査結果を日本産婦人科医会がまとめた。

 妊娠初期に胎児の異常が見つかり、中絶を選ぶ例が増えたとみられる。

 調査をまとめた平原史樹横浜市立大教授(産婦人科)によると、異常の種類や状態により新生児の障害の程度は異なる。平原教授は「どれぐらい深刻なのか、医師の説明が不十分で妊婦もちゃんと理解しないまま、中絶したケースが少なくないとみられる」と指摘している。

 産婦人科医会は一九八五年から全国約三百の分娩(ぶんべん)施設を対象にアンケート。回答率は25〜40%とばらつきがあるため、100%に換算し、五年分ずつを集計した。

 その結果、超音波検査や染色体異常を調べる羊水検査、絨毛(じゅうもう)検査などで異常が見つかり中絶したと推定されるのは八五〜八九年は千件未満だったが、九五〜九九年は約三千件、〇五〜〇九年は約六千件だった。増加分はほとんど超音波検査によるとみられるという。

 

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