'11/7/23
2000世帯で地デジ見られない
テレビの地上デジタル放送への完全移行が24日正午に迫る。庄原市は難視世帯が2千を超え、中国地方の自治体では最も難視地域が多い。地デジ移行でテレビが映らなくなる世帯はない見通しだが、最大で全世帯の約5%は衛星放送による「暫定対応」となる。
市と中国総合通信局によると、市内の難視地域は272で、地デジ放送が見られないのは2049世帯(12日現在)。ケーブルテレビ網が未整備の同市では、難視対策は(1)共同アンテナ設置(2)個別の高性能アンテナ設置―の二つに限られる。
市によると現在、共同アンテナは596世帯分の97施設が設置済み。3月末時点の43施設から倍増した。市は本年度中さらに約50世帯分の約15施設を設置する目標だ。
一方、中国総合通信局は高性能アンテナによる個別受信を市内で983世帯とみる。ただ、同通信局は整備状況を把握できていないという。
市は、共同アンテナも個別高性能アンテナも間に合わず、急場しのぎの衛星放送対応となるのは、現時点で全世帯の約5%の最大823世帯とみている。
庄原市東城町内堀の農業柳生利秋さん(68)は近隣2世帯とともに今後、共同アンテナ設置を申請予定だが、当面は衛星放送で東京の番組を見る。「やはり地元の情報がほしい。早くアンテナ設置を進めたい」と話す。
【写真説明】一緒に共同アンテナを設置予定の近隣の住民とアナログ放送を見る柳生さん(右)=21日