米国の天文学者、カール・セーガン博士にゆかりを持ち、惑星探査の普及活動に取り組んできたNPO法人(特定非営利活動法人)「日本惑星協会」が解散した。関係者の高齢化が進み、事業継続を断念したという。20日に最後のメールマガジンを配信、12年の歴史に幕を下ろした。
米惑星協会を設立したセーガン博士は親日家で知られ、96年に亡くなる直前「日本にも協会を作ってほしい」と話していた。宇宙開発や企業関係者が中心となり、99年に日本惑星協会が設立された。
協会は、小惑星探査機「はやぶさ」ミッションでは、はやぶさが小惑星に接近した際、先に投下して着陸の目印にしたターゲットマーカーに名前を乗せる「星の王子さまに会いに行きませんか」キャンペーンを企画、約88万人の応募を集めた。会員は約350人だが、メールマガジンの読者は約1万人に達した。
昨年末、事務局メンバーが70~80歳代になったため活動中止を決断した。協会の理事を務めてきた的川泰宣・宇宙航空研究開発機構名誉教授は「大変残念。はやぶさの活躍など惑星探査が盛んになってきた今、市民レベルの支援活動のあり方を改めて考えたい」と話している。【永山悦子】
毎日新聞 2011年7月23日 15時00分(最終更新 7月23日 15時24分)