事件【杉浦美香のさくらんぼ白書】汚染わら 山形牛、米沢牛に広がる波紋 民主党の“後手”政治に泣かされる+(5/5ページ)(2011.7.23 12:00

  • [PR]

[事件]ニュース トピック:杉浦美香のさくらんぼ白書

  • メッセ
  • 印刷

【杉浦美香のさくらんぼ白書】
汚染わら 山形牛、米沢牛に広がる波紋 民主党の“後手”政治に泣かされる

2011.7.23 12:00 (5/5ページ)
「早くこの騒ぎが終わってくれたら」。心配そうに稲わらを食べさせる平尾喜代春さん=19日、山形市(杉浦美香撮影)

クリックして拡大する

「早くこの騒ぎが終わってくれたら」。心配そうに稲わらを食べさせる平尾喜代春さん=19日、山形市(杉浦美香撮影)

 東京大学の唐木英明名誉教授(食品安全)は「規制値以上、以下ということで一喜一憂しているが、値は安全安心の境界を示しているのではない。もともと設定が極めて厳しい値になっている。規制値を超えた牛肉で健康を害するためには何トンも食べないといけなくなる」と指摘する。

 福島、山形だけに限らず今、東北全体で全頭検査の流れが広がっている。風評被害にあわないためにこうした動きは理解はできるが行政、政治家、専門家は、風評を広げないためにも基準値が示す意味を、何度もわかりやすく説明していく必要があるだろう。

 基盤が揺らいでいる政権下では政治家は保身に走り、不安に駆られる国民に科学的な説明をせずに、逆にあおってしまう。何をいっても信頼されないという負のスパイラルにはまってしまっているからだ。

 今回の取材を通じ何人もの関係者から「稲わらの問題は予測できたはずだ」という声を聞いた。稲わらの供給事情を知っていれば後はどこに放射能が広がっているかという予測の問題だったというのだ。事故から4カ月がすぎ初めてわかったという問題ではなかった。後手、後手にまわった政治の罪は重い。

 (山形支局長 杉浦美香) 

このニュースの写真

「早くこの騒ぎが終わってくれたら」。心配そうに稲わらを食べさせる平尾喜代春さん=19日、山形市(杉浦美香撮影)
米沢牛の前で「全頭検査で安心してもらいたい」と話す米沢佐藤畜産の佐藤社長=山形県米沢市(杉浦美香撮影)
「安心してもらうのが何より大事」と話す米沢佐藤畜産の佐藤社長=山形県米沢市(杉浦美香撮影)

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital