農林水産省によると、放射性セシウムに汚染された稲わらや牧草を牛が餌として食べた場合、肉に蓄積されるセシウムの量を推計するには、国際原子力機関(IAEA)が示す計算式を用いる。式に使われる「移行係数」は〇・〇九六だ。
同等のレベルに汚染されたわらや牧草を同じ量、牛に毎日与えることを前提に計算する。一キログラム当たり一〇万ベクレルのわら一キログラムを六十日間与え続けると、牛には最大で同九六〇〇ベクレルのセシウムがたまるとされる。
人もそうだが、牛の体内にもセシウムと似た性質のカリウムが存在する。セシウムが体内に入ると、カリウムが体外に押し出されてセシウムと入れ替わる形で体内にたまる。
汚染されたわらを餌に与えるのをやめると、牛の体内のセシウムは尿やふんによって排出され、六十日で半分に減る。つまり、一キログラム当たり九六〇〇ベクレルが蓄積された牛なら、同四八〇〇ベクレルに下がる。
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