警視庁捜査一課の警部が、美容外科に再就職した元警部らに、医療ミスを巡る捜査資料を漏えいしたとして逮捕された事件で、元警部らは、再就職したその日に警部と会って、医療ミスの被害者の遺族の連絡先が記された資料などを受け取った疑いがあることが警視庁への取材で分かりました。調べに対し警部らは容疑を否認しているということです。
警視庁捜査一課の警部、白鳥陽一容疑者(58)は、いずれも警視庁の元警部で、東京の品川美容外科に再就職した中道宜昭容疑者(53)と石原三八一容疑者(61)に、品川美容外科の医療ミスを巡る捜査資料を流していたとして、地方公務員法の守秘義務違反の疑いで逮捕されました。中道元警部ら2人は、白鳥警部のあっせんで、去年3月1日に品川美容外科に再就職していましたが、警視庁によりますと、2人は、その日のうちに医療ミス事件の捜査本部が置かれた東京・荒川区の尾久警察署を訪れ、白鳥警部から被害者の遺族の連絡先が記された資料などを受け取った疑いがあることが分かりました。警視庁は、中道元警部らが遺族との示談交渉を進めるため、資料の漏えいを働きかけたとみて調べています。警視庁によりますと、中道元警部は調べに対し、遺族の連絡先などの資料を受け取ったことは認めたものの、「情報漏えいをそそのかしたことはない」と容疑を否認しているということです。また、白鳥警部は「漏えいした覚えはない」と容疑を否認しているということです。