【ニューヨーク=小川義也】米メディア大手ニューズ・コーポレーションは13日、英衛星放送大手BスカイBの買収提案を撤回すると発表した。ニューズは現在39%出資するBスカイBを完全子会社化することで衛星放送事業の拡大を目指していたが、傘下の英紙における盗聴スキャンダルの拡大で、英政府の承認が得られないと判断した。ニューズは成長戦略の練り直しを迫られる。
ニューズのチェース・ケリー社長兼最高執行責任者(COO)は声明で、「買収提案はニューズとBスカイB両社の利益にかなうと信じてきたが、現在の環境下では実現させることが難しいことが明らかになった」と述べた。その上で、「ニューズはBスカイBの長期的な株主として残り続ける」考えを表明した。
ニューズ傘下の英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」の記者らによる盗聴スキャンダルの拡大を受け、英下院は13日に、ニューズにBスカイB買収断念を求める決議を採択する予定だった。
BスカイBは契約者数1000万人を超える英有料放送最大手。今年3月までの9カ月間の売上高は48億3300万ポンド、純利益は5億8100万ポンド。営業利益(7億5200万ポンド)はニューズの新聞・出版事業の2倍に達する。安定収益を生み出すBスカイBの完全子会社化で衛星放送事業をグループの事業の柱のひとつにする計画だった。
ニューズはBスカイB買収に向け、約120億ドルの手元資金を積み上げていた。12日には自社株買い枠の50億ドルへの拡大を発表しているが、潤沢な資金をどう成長戦略に使うかが次の焦点となる。
ニューズ・コーポレーション、BスカイB、スカイニュース
日経平均(円) | 10,132.11 | +121.72 | 22日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 12,681.16 | -43.25 | 22日 16:30 |
英FTSE100 | 5,935.02 | +35.13 | 22日 16:35 |
ドル/円 | 78.51 - .54 | -0.16円高 | 23日 5:48 |
ユーロ/円 | 112.71 - .78 | -0.53円高 | 23日 5:48 |
長期金利(%) | 1.095 | +0.005 | 22日 17:25 |
NY原油(ドル) | 99.87 | +0.74 | 22日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載 詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)