- [PR]
[政治]ニュース
【笠原健の信州読解】22DDHは計画を白紙撤回し、空母を建造すべきだ
2011.7.23 07:00
(5/5ページ)
フランス方式だと、空母の優劣を決める航空戦力の効果的な運用の面では英国方式よりも大きな利点がある。中国がスチームカタパルトの技術を取得して空母建造に踏み切る可能性があることを考えたら、日本が保有する空母はやはりスチームカタパルト方式を選択した方がいいだろう。
もっとも日本もスチームカタパルトの技術を保有していないから、米国の技術支援を受けて開発するか米国製のものを導入することになる。フランスは「シャルル・ド・ゴール」で米国製のスチームカタパルトを使っている。
最低でも空母3隻態勢はとりたい
動力を原子力とするか通常動力とするかだが、原子力商船「むつ」の建造と運用の経験があるとはいえ、いきなり原子力空母保有を目指すのは懸命なやり方だとは思わない。1番艦は通常動力として空母運用のノウハウを取得をした後、2番艦以降は通常動力の空母とするのか、それとも原子力空母の建造に踏み切るのかを検討すればいい。建造する空母は欲を言えば4隻、最低でも3隻は欲しいところだ。
中国が2015年までに通常型の空母2隻を建造するであろうということを考えると、これから新たに艦載機を開発する時間的なゆとりはそんなにない。現有機の中からセレクトするとなると、米国のFA18かフランスのラファールということになる。
海上自衛隊はこれまで「おおすみ型」「ひゅうが型」と全通甲板の軍艦を建造したが、いずれも中途半端なものに終わった感が否めない。このままでは「22DDH」も同じ運命をたどることになる。日本の国力が右肩上がりならばいいが、そう回り道をしている余裕はない。(長野支局長 笠原健)
このニュースの写真
関連ニュース
- [PR]
- [PR]