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[政治]ニュース
【笠原健の信州読解】22DDHは計画を白紙撤回し、空母を建造すべきだ
2011.7.23 07:00
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米海軍の原子力空母が付近の海域を航行しているというだけで沿岸諸国に大きな影響を与える。砲艦外交という言葉があるが、空母はある意味で政治的な兵器といえる。東日本大震災で「ロナルド・レーガン」がいち早く日本近海に駆けつけたというニュースはどれだけ当時の日本社会に安心感を与えたかを思い出せばよく分かるはずだ。
イタリア海軍の「カブール」でも役不足では?
それでは日本が保有する空母はどのようなタイプが望ましいのだろうか。「22DDH」とほぼ同規模であるイタリア海軍の多目的空母「カブール」を参考にすべきだという意見がある。
2008年に就役した「カブール」は全長244メートル、全幅39メートルで満載排水量27100トン。斜度12度のスキー・ジャンプ台を備えて、短距離離陸・垂直着陸が可能なハリアーIIジェット戦闘機8機、中型ヘリ12機を搭載。さらに甲板上には10機程度の航空機を係留できる。将来はハリアーIIの代わりにロッキード・マーチンが開発している第5世代のジェット戦闘機でやはり短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bを搭載する予定だとされている。
航空戦力の運用能力は同規模の「22DDH」に比べて「カブール」の方が断然に高い。ただ、「カブール」は中国海軍の空母を仮想敵として建造されてはいない。
中国海軍が建造する空母が「ワリヤーグ」のようにスキー・ジャンプ台方式のままなのか、それとも米海軍の原子力空母のようなスチーム・カタパルト方式(将来はリニア技術を使ったカタパルトもありか?)を遮二無二開発するのかは今のところは分からないが、カタパルトの開発に中国が成功した場合、脅威度は格段に増す。
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