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【大相撲】

琴奨菊、背水の3敗目 大関とりに黄信号

2011年7月23日 紙面から

◇名古屋場所(13日目)

(22日・愛知県体育館)

 単独トップの大関日馬富士は把瑠都を切り返しで破って無傷の13連勝。横綱白鵬(26)=宮城野=は琴欧洲を裏返しにして1敗を守った。日馬富士は14日目に白鵬との直接対決に勝てば、2009年夏場所以来12場所ぶり2度目の優勝が決まる。大関昇進を目指す琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=は、隠岐の海に小手投げで敗れて痛い3敗目を喫した。

 大関とりへマジック2と迫った琴奨菊。横綱、三役力士との対戦はすでに消化。残り3番はすべて格下相手で安泰ムードが漂いかけたところで思わぬ試練が待ち受けていた。

 平幕の隠岐の海に自慢の左腕をねじ込んだが、自分の形がつくれずに膝が伸びる。押っつけて前へ出ようとしたところで回り込まれて小手に振られ、土俵に転がった。何とも痛い3敗目。

 「力は出し切ったんで仕方ないですね」とポツリ。報道陣から内容について問われたが、目をつぶって無言。深く息をつくと「(宿舎に)帰ってビデオ見て研究します」と力なく語った。

 放駒理事長(元関脇魁傑)は横綱、大関に3勝しながら平幕相手に喫した相撲に首をかしげる。「油断があったわけじゃないだろうが、前日までの印象が素晴らしかっただけにきょうの相撲は良くない。そう簡単には、いかんということ」

 大詰めに迫って重圧は当然ある。本人も「ないと言ったらうそになる」と打ち明けるが、これまで昇進を決めたかつての大関たちはこの高い壁を乗り越えてきた。

 「強いヤツは勝つからね。あと2番しかない。勝っても負けてもいい相撲を取りたい。自分で評価していい場所として終われたらそれでいい」

 自らに言い聞かせるように琴奨菊は何度もうなずいた。昇進の条件は2連勝。まずは14日目、若の里を下して千秋楽に夢をつなぐ。 

  (竹尾和久)

 

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