カラダ講座
働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
【第35回】 2011年7月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
市川純子 [J&Tプランニング代表]

更年期前から「イライラ」「疲れ」「不眠」…
そんな妻の顔色と性格を明るくした思いがけない方法

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 偶然にも2人の父親の職業が開業医ということもあり意気投合し、それから数年後に結婚。結婚後しばらくして、妻は勤めていた商社を退社した。

 それから妻は変わった。「何時に帰るの?」と朝からしつこく聞くようになった。疲れて帰宅しても「今日もつまらなかった」が口癖で、テレビの前から動かなくなってしまった。Aさんが「習い事をしたり、趣味を持てば」と優しく提案しても聞く耳をもたなかった。

入院・手術を機に妻の体調は改善
性格も明るくなるが、40歳を過ぎると再び…

 Aさんの妻には、ある持病があった。

 結婚してから数年後、その持病が原因で、息切れするほど貧血がひどくなったため、主治医から手術を勧められ、Aさんの勤務する病院で手術が行われた。

 はじめての手術と入院に不安がるので、入院中にまめに妻の病室に顔を出すようにした。その度に満面の笑みを浮かべ、「ありがとう」と感謝を口にした。いつも不機嫌だった妻が変わったことに驚いた。

 退院のときには、「あなたの仕事を誤解していた。いつも遅くて寂しかったけれど、こんなに多くの患者さんに必要とされているのだから当たり前よね。病気になってはじめてお医者さんという仕事の大変さがわかった。父親もお医者さんなのにね」と口にした。

 退院してからは、体調も良くなり妻は別人のように明るくなった。地元のボランティアにも参加してイキイキと楽しそうだった。

 しかし、40歳を過ぎたあたりから再び、「疲れた」「調子が悪い」「眠れない」が口癖になり、日ごとに機嫌が悪くなっていった。ボランティアもやめ、家事もしなくなった妻に「うちの病院の女医さんを紹介するよ」と言ってみた。

 すると、「あなたに何がわかるの?」「あなたのいびきで一睡もできなかった」などと、強い口調で言いかえしてくる。髪の毛はボサボサで顔色がいつも悪く、眉毛も伸び放題だ。鼻の下も、顎の周りも黒い。「お前ヒゲ生えているよ」と思っても言えない。その頃からAさんは夕飯を外で済ませ、控えていた当直も増やすようになっていった。

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市川純子 [J&Tプランニング代表]

1961年生まれ。広告代理店で大手私鉄の広報を担当。その後PR会社に転職し、医薬品や化粧品分野に携わる。2003 年にJ&Tプランニングを設立。代表取締役に就任。研究や情報の開発も行いヒット商品を数多く手がける。医療健康美容分野の研究のために2010年財団を設立。財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所 所長も務める。


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日々の仕事・生活の中で、知らぬ間に身体が蝕まれているビジネスマンたち。重大な病に陥れば、最悪の場合、死を招く恐れもあります。この連載では、そんな病気のサインを見逃さず、健康で過ごす秘訣をお伝えします。

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