横粂氏の選択は正しい

愚図愚図とだらしのない民主党の中に留まっているよりも外に出て自由に発言できるようになる方が遥かに精神衛生上いいことは分かっていたはずだが、分かっていて行動に移れないのがお年寄りの特徴だ。

さすがに横粂氏は若い。いち早く最善の答えを出した。日本で一番有権者の反発を買っている人に挑戦状を叩きつけるというのはうまいやり方だ。

いずれは落日の日を迎える菅総理が相手だから、横粂氏がいつかは勝利を収める。簡単に倒せるような柔な相手ではないが、正々堂々と戦っていれば必ず勝つ。自民党には元武蔵野市長・前衆議院議員の土屋正忠という実力のある有力な候補者がいるが、いずれは若い人に席を譲らなければならない。色々な条件を考えると、横粂氏の選択はなかなかいい。

自民党のスターになる小泉進次郎氏との血みどろの戦いを早いうちに回避したのもいい。無駄に血を流さないというのは、難しい戦いに挑む者の最低限の心得である。

リスク予知能力とリスク回避能力は政治家にとって必須の能力である。横粂氏は、菅総理の選挙区での立候補を宣言することで退路を断ったことになるが、これもいいことだ。

ただし、いいことばかりではない。

横粂氏は、若いが故の失敗も覚悟しておいた方がいい。民主党という選挙互助会の後ろ盾がないのだから、ポスター貼りや事務所作りは全部自分の自前でやらなければならなくなる。
一人も支援者がいないところに落下傘で降りるようなものだが、あたりは禽獣がうようよいると思っていた方がいい。

隙を見せたらパクッと噛み付かれる。食い殺されることはないが、結構タフな戦いになる。早くいい参謀を見つけることだ。

横粂氏は、民主党の中では十分切磋琢磨する機会を持てなかったようで、まだまだ本当の実力を蓄えていない。早くからマスコミに持て囃されたところがあり一応のタレントにはなれるが、本当のタレントは獲得出来ていない。

今のままでは、大成は困難だ。色々な先輩方から大いに学ぶといい。とにかく、苦労して見ることだ。

苦労人の一人として、求めがあれば私にも相談に乗る用意がある。