- [PR]
[事件]ニュース
【放射能漏れ】“需要100倍”…電池、品薄で線量計「宝の持ち腐れ」 工場被災・買い占めも
2011.7.23 01:01
(1/2ページ)
東京電力福島第1原発事故で、個人でも持つ人が増えた放射線量計。しかし肝心の電池が容易に手に入らず、使いたくても使えないという事態が深刻化している。線量計用の電池は特殊で、量販店に出回る量はもともと少なかった。そこに電池の製造工場が被災し、稼働を一時停止。需要と供給の不均等が続いているのだ。このままでは線量計が“宝の持ち腐れ”になりかねない。(小野田雄一)
「どこにもない」
21日、福島市内の大手家電量販店の電池コーナー。東京から出張に訪れたという住宅関連会社勤務の男性(35)は、線量計に使われる「CR2450」という規格のリチウムイオン電池を探していた。
だが、店頭にない。従業員に尋ねたが「在庫切れです。取り寄せなら早くても1週間かかる」と説明された。男性は「会社に被曝(ひばく)量を報告しなければならないが…。福島市中を回ったけれど、どこにもなかった」と落胆した。
福島県では線量計用の電池不足が著しい。福島市の別の家電量販店従業員は「入荷できても、1人で50個、100個と買っていく人もいる」と話す。
一般に出回らず
なぜ、こうした事態が起きているのか。
東京都内の電池総合商社では震災前、線量計用電池の取引は月1000個程度だったが、現在は月約10万個分の問い合わせが来ている。需要が100倍に膨らんでいる計算だ。
「CR2450」の電池は、主に医療機器や家電製品内部など特殊な用途に使われ、一般市場への販売ルートが確立されていなかった。しかし、原発事故で個人や一般企業でも線量計を導入する事例が続出。線量計メーカーが増産しているが需要に応じきれず、専用電池の供給も追いつかなくなっているのだ。
このニュースの写真
関連ニュース
- [PR]
- [PR]