「大相撲名古屋場所12日目」(21日、愛知県体育館)
大関日馬富士が魁聖を上手出し投げで退け、無敗を守った。初日からの12連勝は初優勝した09年夏場所以来。けがをしないことを最優先にした、場所前の慎重な調整が実を結んでいる。11日目で土がついた横綱白鵬は一方的に隠岐の海を寄り切り連敗を免れた。大関とりの関脇琴奨菊は関脇鶴竜を寄り切って10勝目。目安の直近3場所33勝まで、あと2勝とした。
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鬼の形相で攻めた。日馬富士が初顔合わせの平幕を相手に、頭を下げて食らいついた。引退した魁皇の思いを受け継いだ魁聖の前まわしを左でつかみ、右手で右ひざを払いながら上手出し投げ。193センチの巨体を土俵に転がした。
支度部屋に戻っても気合に満ちあふれていた。「(優勝争いは)大関になった以上は当たり前。今までケガもあったので、鍛えて鍛えて今日がある」と自負した。白鵬の結びの一番を映したモニターをにらみ、順当勝ちを見届けると肩で風を切って場所を後にした。
言葉通り、右肩と右足首のけがで昨年九州場所を途中休場。今年も本調子にはほど遠かった。見かねた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が取り入れさせたのが、格下力士との稽古だった。
新入幕の宝富士や新十両の飛天龍らと1日30番から40番取り、じっくり下半身を作った。今場所、来場所と連覇すれば10月10日予定の結婚披露宴を横綱として迎える夢もかなう。2度目の賜杯へ、復活した日馬富士が突っ走る。
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