学生時代、夏になると伊豆諸島の島に渡り仲間たちと共同生活を送りながらライフセービング活動にいそしんだ。
約10年前の夏、飲酒後に海に入りおぼれた男性の救助に向かった。引き上げた時にはすでに心肺停止状態で、島に医師がいないため本土へ救助ヘリを要請した。
ヘリの到着まで1時間以上仲間と交代で心臓マッサージと人工呼吸を繰り返した。「何とか助かってほしい」。しかし、男性の体がどんどん冷たくなって行く。目の前の命を救えない無力感に涙が流れた。
夏を迎えて全国で水難事故が後を絶たない。海や川での楽しい思い出を作るため、酒を口にした時は水に入らないことを心がけてほしい。(山崎)
毎日新聞 2011年7月22日 地方版