自由報道協会主催で会見を開いたクリス・バズビー博士 写真一覧(6件)
ICRPは内部被曝を考慮していない
博士:ECRRは独立した組織で放射線を研究しています。20年間の研究の結論は、(日本政府が基準にしている)ICRP(国際放射線防護委員会)の今までのリスクモデルが内部被曝に対して、非常に危険なモデルであると言うことです。放射線物質が体内に取り込まれると、DNAに深刻なダメージを及ぼします。DNAが破壊されると、ガンのリスク上昇や胎児の発達異常、様々な病気の心配があります。
内部被曝は低い線量で起きてしまいます。ECRRのリスクモデルは2003年に、実際に被曝した人たちの疫学調査によって発表されました。原発の近くに住んでいる人や、1950年から60年代の全世界の核実験の「死の灰」を受けた人たちです。これを福島第一原発の状況に当てはめることが重要と考えます。
私が日本に来た理由は、福島の人々に状況がどれだけ深刻か、アドバイスに来ました。ECRRのリスクモデルが正しければ、ガンや新生児に影響がでるはずだから。
日本政府はICRPのリスクモデルを利用し、毎時1mSvという低線量なら暮らせるといっているが、実際は自然被曝量以上に数値が出るということは、その土地に放射能汚染が考えられる。
今、車のエアフィルターを調べている。東京のものと、福島原発から100キロほど離れたところを走っていた車のものだ。車も人と同じように空気を吸って動いているので、類似性を測ることができる。
驚いたことに、東京周辺と100キロ地域のフィルターからセシウム134.137が検出された。アルファ線を発する物質もあった。つまり、ウランとプルトニウムだ。しかしエアフィルターをガイガーカウンターで測っても数値は非常に低い。(検出されづらい)。私は毎時0.1ミリシーベルトを越えたら避難したほうがいいと考える。
1963年、核実験がピーク時のヨーロッパの空気の放射線の数値と、今の福島の数値を比べると、福島はおよそ1000倍だ。そこにそのまま人が住み続けるとすると、福島第一原発から100キロ以内の地域で今後10年間にガンの発生率が約32%上昇すると言う計算結果が出た。
これはかなり前からわかっているので、政府が住み続けることを大丈夫と言っていることは犯罪的に無責任だ。
それだけではなく、政府は独立した健康被害調査機関を設立し、ガンの発生率のデータを取るべきだ。
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