警視庁捜査一課の現職の警部が、美容外科の手術ミスを巡る事件の捜査資料を美容外科に再就職した元警部2人に流していた疑いで逮捕された事件で、警部は、元警部らからたびたび飲食の接待を受けていたということで、警視庁は、こうした場で資料を流すよう働きかけがあったとみて調べることにしています。警部ら3人は、容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、警視庁捜査一課の警部、白鳥陽一容疑者(58)と、いずれも警視庁の元警部で東京の品川美容外科に再就職した中道宜昭容疑者(53)と石原三八一容疑者(61)の合わせて3人です。白鳥警部はおととし、品川美容外科のクリニックで女性が死亡した医療事故の捜査を担当していましたが、警視庁の調べによりますと、去年3月から8月ごろにかけて、事故の経緯をまとめた文書などの捜査資料を中道元警部ら2人に流していたとして、地方公務員法の守秘義務違反の疑いが持たれています。調べに対し、白鳥警部は「漏えいした覚えはない」と供述するなど、3人はいずれも容疑を否認しているということです。警視庁によりますと、白鳥警部は捜査一課などで一緒に勤務していた中道元警部ら2人を医療事故の捜査のさなかの去年3月に美容外科に再就職させていましたが、その後、東京・品川区の日本料理店などで元警部らからたびたび、飲食の接待を受けていたということです。白鳥警部は、こうした美容外科側との飲食が発覚したため、ことし3月に捜査から外されていました。警視庁は、飲食の接待の場で資料を流すよう働きかけがあったとみて調べることにしています。