ハンカチ王子も利用した酸素カプセルって効果あり?
100%の酸素を吸入する高気圧酸素療法
東京医科歯科大学医学部付属病院で行われる高圧酸素療法は、最大16人が入ることのできる高気圧酸素治療タンクで行われる。患者はタンク内のシートに座って、それぞれが酸素マスクを口につけて、高気圧下で100%酸素を吸入する。他に赤ちゃんや高齢者、鼻や口に障害があるためにマスクを装着できない人の場合には、一人用のタンクに入って、タンク内に直接酸素を流す方法もある。
前述したように過剰の酸素吸入には、脳や肺に障害が出る酸素中毒の副作用が起こる可能性もあるので、1日にどれくらいの酸素吸入できるか、1週間ではどうかなど、一人ひとり計算して治療が行われる。
また、高気圧酸素療法では、火気による事故の危険性もある。高酸素の状態は、非常に発火しやすいので、タンク内での火気厳禁はもちろん、貴金属や簡易カイロなどからも発火するので注意が必要だ。
火災が起こっても、タンク内は高気圧のため、すぐにドアを開けることができない。そのため火災事故は死亡事故につながる危険が高いという。要するに、高気圧酸素療法は、安全性を確保して、高い効果を得るために、専門の医師の指導、管理のもと行われる、高度な医療行為なのである。
日本最大級の東京医科歯科大学医学部付属病院の高気圧酸素治療タンク。一度に最大16人まで入ることが可能だ。
高気圧酸素治療タンク内部。患者はシートに座り、酸素マスクを装着する。眞野氏が指し示すのは、酸素の噴出口。ここに酸素マスクを繋ぎ、それぞれの患者に酸素が送られる。
タンクの外には調整室があり、医療スタッフが随時、患者の様子を見ながら気圧などを調整する。
この連載のバックナンバー
- 緊急提言 「新型インフルエンザ」感染地域が急速に拡大中 あなたと家族を守る「3つのポイント」+「1」 (2009/04/30)
- 3月リンク集:オフィスセキュリティ (2009/04/01)
- 2月リンク集:身近にある危機 (2009/03/01)
- 1月リンク集:米国と日本 (2009/01/30)
- 12月リンク集:歳末の防犯・防災 (2008/12/25)