荒巻配水所旧管理事務所が解体の危機!
仙台市の水道事業黎明期の産業遺産である荒巻配水所の旧管理事務所(国登録文化財)が解体の危機に瀕しています。
配水施設の改良工事のため建物を曳屋中で、水平移動後、枕木の足場を組んだ上に載せて3m下の移動先に引き降ろそうというときに、先の大震災に見舞われました。
足場と建物の一部が崩れたものの、この状態で致命的な損傷や倒壊を免れたのは実に幸いだったと言えます。
水道局では仮支えを施した上で工事を中断していましたが、7月11日になって取り壊しを決定し、地元町内会に説明が行われました。
これまで内部で保存の検討は行ったが、工費の増大と安全性の確保の点から断念したとのことです。
ただでさえ数少ない仙台の近代建築が、地震被害を受けたとはいえまだ建物自体は姿を保っているのに突然壊されてしまうというのは耐えられません。取り返しのつかない遺産を失うのは仙台市民全体にとっての大きな損失です。
7月中には着工の見込みらしいですが、まち遺産ネット仙台では市に解体の決断を留保し、再検討の時間を与えてくれるよう要望書を提出しました。
私たちは知恵をしぼって解決方法を検討していますが、これを見たみなさんで打開のアイデアがありましたら何でもお寄せ下さい。
水道局:荒巻配水所旧管理事務所の解体について
仙台市文化財:荒巻配水所旧管理事務所
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津野海太郎 Tsuno Kaitaro 73歳 評論家 さいたま市在住
地域政府よ、大きいことはもういいから、ちいさいものを大切に。
投稿: 津野海太郎 | 2011年7月20日 (水) 10時33分
破壊してから悔やんでも取り返しがつきません。熟慮し、しっかり検討してほしいです。
投稿: 武眞理子 Mariko Take 60歳 ギャラリー兼食堂経営 編集者 | 2011年7月20日 (水) 14時17分
この数ヶ月、あるはずだった物が、とつぜん失われる痛みをあまりに多く、ひりひりと感じています。住民ではなくとも遠くから大切に想っていることもあるのです。強い視線を投げかけていることもあるのです。重ねた時を、どうか大切にしてください。おねがいします。
投稿: 高橋茅香子 takahashi chikako 72歳 翻訳家 東京 | 2011年7月20日 (水) 15時58分
地域のものでもないのに無責任な発言と思われるかも
しれませんが、敢えていいます。
「時間とオカネ」がかかっても「残す」に一票。
残すことが仙台市民の心の支えとなり「復興」への
希望となると考えます。
仙台市レベルで難しければ、国が手を差しのべて。
投稿: たかさん | 2011年7月20日 (水) 17時41分
保存を視野にいれた検討を望みます。
投稿: 神田雅子 | 2011年7月20日 (水) 18時12分
荒巻配水所知りませんでした。この大震災で失われたものは多いと思います。せめて残ったものを大切にしたいですよね。
なくなれば どんなにお金をかけても二度ともどにもどせません。もっと市民に呼びかければ 賛同する人も増えると思います。
投稿: 星ひとみ | 2011年7月20日 (水) 19時02分
年齢:53歳
職業”省エネルギー・エンジニア
居住地:仙台市青葉区
●技術的には充分修復可能のようにみえるのですが。高い技術を持つ曳屋業者を知ってます。要は「金」ですね。多くの文化財もまた被災している中、登録されているものをあっさり解体してしまったら仙台の恥さらしですよ。
投稿: 荒木逸生 | 2011年7月20日 (水) 21時18分