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【北陸発】

かほくでも受信障害 関西から混信 対策リスト漏れ

2011年7月20日

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総務省が調査

 テレビの地上デジタル放送完全移行が二十四日に迫る中、石川県かほく市の海沿いで、画面が一時的に映らなくなる受信障害が起きていることが分かった。夏場の気象条件により、通常は届かない関西方面からの電波で混信しているとみられる。北陸では同県・南加賀地区に続く「デジタル混信」で、総務省は現地調査に乗り出した。問題が解消されないままアナログ停波を迎える。(前口憲幸)

 総務省北陸総合通信局によると、南加賀地区同様、日本海の温度上昇で発生した水蒸気により、電波の強さが変動する「フェージング現象」が原因。受信障害は、かほく市の高松と宇野気の周辺で少なくとも千二百世帯で起きる。京都府宮津市と同一の電波が確認されている。

 同様の混信は全国各地で起き、総務省は全国百余りを対策エリアに認定。高性能アンテナへの取り換えや、ケーブルテレビへの加入費などを助成している。石川県では小松、加賀、能美各市の海沿いで、新潟県からの電波を受けていることが判明した。ケーブルテレビ未加入で混信の恐れがある三市の最大二万四千七百世帯が助成対象だ。

 しかし、かほく市は現在、リストアップされておらず、助成の対象外。「地デジ対応できない」といった苦情から、北陸総合通信局は同市内八地点で電波の測定を始めたものの、データが得られるのは九月末で、二十四日までの対応は不可能。総務省によると、このリスト漏れは、北九州市でも確認されている。

 かほく市の混信について、同省放送技術課は「季節的な現象で、つぶさな予測は難しい」と指摘。「地元電器店などを通じ、申告があれば暫定的に衛星放送(BS)を使ってもらう支援策もある」と説明するが、その場合、首都圏の視聴者と同じ番組しか見ることができず、ローカル局が発信する台風接近や地震などの地域情報は得られない。

 顧客から混信相談が相次ぐ同市高松の電器店・清水商会の坂室正司社長は「地デジ化を目前に国からの説明はない」と頭を抱える。アンテナの向きの調整や、配線の取り換え、テレビを新品にしても混信が解消せず、ケーブル加入を勧めたことも。

 独自の測定器で数年前から宮津市の電波を確認していたかほく市の別の電器店は「総務省が今ごろ測定しているようでは対応が遅い。地域格差が出ないよう、早急な対応が必要」と求めている。

 

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