「清純派」返上の賭けは…

●国仲涼子（女優）

　９年ぶりの写真集「ＣＯＬＯＲＳ」で、セミヌードを披露した。週刊誌も喜んでグラビアにしている。３２歳。これまで清純派で売っていた彼女に何があったのか。

　大台に乗ったのを機にイメージ一新を狙っているのだろう。代理母がテーマのＮＨＫドラマ「マドンナ・ヴェルデ」では病気のため子宮をなくした女医を演じた。さすがに共演した松坂慶子の匂うような色気には及ばなかったが、童顔なワリには視聴者にそれなりの印象を残せたとの声もある。

　１９７９年６月９日、沖縄県那覇市生まれ。家族は両親、妹、弟。那覇商業高校１年でミス那覇商に選ばれた。３年生の時に市内のぜんざい屋でアルバイト中にスカウトされたが、保育士を目指していたため、断った。だが高校卒業後、決意して９８年上京。駅に並ぶ自動改札機が恐怖という、田舎出身の清純な少女だった。同年４月、「アイドルハイスクール芸能女学館」（フジテレビ）でデビュー。０１年、２０８４人のオーディションの中から選ばれ、「ちゅらさん」のヒロインをゲットした。オーディションではアルバイトで鍛えたういろう売りの口上を実演するなど型破りな点が評価された。

　朝の連ドラは山口智子、鈴木京香、松嶋菜々子らが飛び出した新人女優の登竜門。だが、「ちゅらさん」で大ブレークして役柄が完全に本人のイメージになった感がある。

　０２年ドラマ「夢のカリフォルニア」（ＴＢＳ）に出演するが、主演は堂本剛で共演は柴咲コウ。国仲は大学受験にも結婚にも失敗したＯＬの役で、この時はセカンド。ＮＨＫの「五瓣の椿」で時代劇に初挑戦したが、国仲のカラーとは違っていた。

　恋愛も芸の肥やしだが、この人の場合、スキャンダルもほとんどない。

「昨年、関ジャニ∞の安田章大とのゴルフデートを女性週刊誌にスクープされました。５歳年下のイケメンで、きっかけはＮＨＫドラマでの共演。でも熱愛まで発展しなかった」（芸能リポーター・川内天子氏）

　芸能関係者によれば、共演者キラー。これまでに武田真治との遊園地デート、上地雄輔との熱々ショッピングをキャッチされている。共演がきっかけで一気に燃え上がってしまうタイプだが、相手はそれほどでもない。事務所もイメージダウンにつながるという危惧もあって、恋人と認めず、噂になるたびに「友人」と強調した。恋愛にも恵まれなかったのは演技にはマイナスだったが、そこで大人路線のためのセミヌード写真集――。

「国仲の同年代には、仲間由紀恵や竹内結子、小西真奈美、釈由美子、矢田亜希子など、熱愛や破局・離婚が散々騒がれた女優がズラリ。また下も華やかなメンバー。綾瀬はるか、上戸彩、宮崎あおい、北川景子、蒼井優など、演技力だけでなく、恋愛もスキャンダルも肥やしにしている。本人にはうかうかしていると、という危機感があるのかもしれません。写真集は覚悟の上でのことでしょう。脱ぐことによって、大人の女優のチケットを手に入れたいんですよ」（前出・川内氏）

　芸能界で生き残るために、清純派もかなぐり捨てる覚悟なのだ。「ちゅらさん」を懐古しながら、この人の脱皮ぶりに注目だ。

（日刊ゲンダイ2011年7月19日掲載）