ページトップ

概要

人と地球、そして未来の世代への北九州市民からの約束~世界の環境首都をめざして~
(グランド・デザイン)

グランド・デザインとは?

 世界の環境首都の創造に向け、市民・NPO・企業など、様々な立場の人々から出された1,000件を超える意見、提案をもとに数多くの議論を重ねて、「北九州市環境首都創造会議」がとりまとめ、 “環境は人の生存を支えるために欠くことのできないもの”との原点に立ち返り、「真の豊かさ」にあふれたまちを育み、未来の世代に引き継ぐことを決意したものです。

グランド・デザイン策定までのプロセス

環境首都づくりに向けて市民等による議論、意見聴取開始(平成15年4月~12月)

 この間に出された意見・提案 1,000件以上
 第1回環境首都創造フォーラム(10月26日)
 第2回環境首都創造フォーラム(12月18日)

環境首都創造会議でのグランド・デザイン策定

第1回環境首都創造会議(平成16年3月1日)

  • 大まかな方向性の確認
  • 部会の設置

第1回市民部会(4月19日)

  • 第1回創造会議の概要報告、部会の役割の確認
  • 現状と課題に関する資料説明(共通認識の醸成)
  • 「進むべき方向性」に関する議論

第1回産業部会(4月26日)

  • 第1回創造会議の概要報告、部会の役割
  • 6つの視点での資料説明 ⇒ 共通認識醸成

第1回都市部会(5月21日)

  • 第1回創造会議の概要報告、北九州市における都市整備の取り組み
  • 世界の環境首都における主な取組み状況、グランドデザインで示す方向性

第2回産業部会(5月24日)

  • 北九州市における具体的な取り組みの現状報告
  • 北九州市の特徴、環境首都実現に向けた理念、リーディングプロジェクト
  • 市民、都市分野に関する意見等

第2回市民部会(5月31日)

  • 第1回部会を踏まえた「進むべき方向性」のたたき台
  • 短期リーディング・プロジェクトのたたき台
  • 第2回環境首都創造会議に向けた議論

第3回産業部会(6月28日)

  • グランドデザイン、リーディング・プロジェクト素案

第2回環境首都創造会議(7月5日)

グランド・デザイン素案(「進むべき方向性」及び理念)についての議論
第3回市民部会(7月21日)
第2回都市部会(7月21日)
第3回都市部会(8月4日)
第4回産業部会(8月2日)

  • 部会としてのとりまとめ
  • グランド・デザイン、リーディング・プロジェクト案

第3回環境首都創造フォーラム(8月11日)

  • グランド・デザイン素案に基づき、様々な立場からの議論

第3回環境首都創造会議(8月19日)

グランド・デザインの起草(起草委員会:4回開催)

第4回環境首都創造会議(10月9日)

グランド・デザイン策定

環境首都創造会議の様子

グランド・デザイン発表(10月9日)

エコステージ開会の場での発表 ~様々な主体の協働による環境首都づくりスタート

前文

 人の生命(いのち)や健康をおびやかす深刻な環境汚染を、わたしたちのまち北九州市は、克服してきました。そして、さらに快適な環境のまちをめざして、多くの努力を重ね、成果をあげてきました。

 しかし、今や、人類の生存と将来をおびやかす温暖化をはじめとする地球環境の問題が、わたしたちの目の前に迫ってきています。

 わたしたちは、この問題に全力をあげて取り組み、環境首都として世界に認められる都市をめざしていくことを決意しました。

 今、わたしたち北九州市民は、1972年に国連が「人間環境宣言」で世界に呼びかけた“環境は、わたしたちの生存を支えるために欠くことのできないものである”との原点に、もう一度立ち返ります。その上で世界の環境首都の市民としての自覚をもって、必要な行動をおこします。これによって、人と人とが、時を越え、さらに地球上のすべての人と共に生きていける、「真の豊かさ」にあふれるわたしたちのまちを育み、未来の世代に引き継いでいくことを約束します。 

背景と決意

なぜ、環境首都をめざすのか?

 今、地球上では、一部の人々が物質的な豊かさを楽しむ一方で、貧困や深刻な環境問題などに苦しんでいる多くの人々がいます。そして地球環境問題は、人類の生存と将来さえおびやかしています。環境の恵みを、現在の世界の人々や将来の世代の人々が公平に受けられるよう、限りある環境や資源を大切に利用し、再生可能な環境や資源を積極的に創り出し、また、すべての人が人としての尊厳を守られる社会をしっかりと継承していくこと、つまり「持続可能な社会」をつくっていくことが必要です。そのためには、それぞれの地域の実情にあった環境への取り組みが大切です。これが未来への鍵です。

 わたしたちのまち北九州市には、豊かな自然と環境に配慮した多くの産業や技術、環境問題に積極的に取り組んできた歴史、そして100万人の力があります。これが、わたしたちのまちの資産(たから)であり、能力(ちから)です。

 わたしたちの使命は、この資産と能力を生かし、持続可能な社会への役割を率先して果していくことです。わたしたちのくらしを変え、まちを変えることは、日本を変え、そして世界を変えていくことと信じます。世界の環境首都をめざすことは、わたしたちの人生の舞台であるこのまちを、ここで暮らせて良かったと心から思えるまちにすることでもあります。

わたしたちのまちの特徴

 わたしたちのまち北九州市は、瀬戸内海から関門海峡を通じて日本海へと広がる豊かな海や、みどり深い山々に囲まれています。また、アジアに近く、その玄関口として発展し、筑豊の石炭などの資源を背景に重要な工業生産の場のひとつとなって、日本の近代化に大きく貢献してきました。そして、このような地理的、歴史的な特徴を持った北九州市は、地域の祭りや文化を大切にするなど個性と多様性にあふれ、ここに産業・技術が蓄えられ、また社会を支える基礎が整えられてきました。

わたしたちの環境への取り組み

 わたしたちのまち北九州市は、日本の経済成長に伴うさまざまな環境汚染を、市民が立ち上がり、そして企業や大学や行政が協力して克服することができました。さらに快適さのあふれる都市環境づくりをめざして、みんなが一体となって努力してきました。その経験は、アジアを中心とした途上国の環境問題の解決や循環型社会づくりに役立てられてきました。その結果、わたしたちのまちは、国連などから三度にわたって表彰され、さらに、2002年の国連「持続可能な開発に関する世界首脳会議」では、先進的な環境改善を進める手本として公式文書で紹介されました(*)。このようなできごとによって、わたしたちのまちは、環境へ積極的に取り組む都市として世界的に知られるようになってきました。このように北九州市は、世界を牽引する大きな力を持っています。その力の源(みなもと)は、北九州市に住み、働く市民や企業にほかなりません。

(※)「クリーンな環境のための北九州イニシアティブ」

北九州市の経験を参考に、地域の人々の協力により環境改善を進め、さらに、その取り組みを都市間の環境協力で世界中に広めて、地球環境問題の解決を進めようとするもの。

わたしたちの課題

 一方、子どもたちに未来へのバトンを渡すためには、いまだに多くの課題があります。

 それは、毎日のくらしの中でものを大切にし、マナーやモラルをまもること、他に誇れる美しい街並みやその中で歩く楽しさを創りだすこと、また、地球温暖化やエネルギー問題に着実に取り組むこと、企業活動でさらに環境へ配慮すること、自然環境を積極的に守り再生すること、さらに、市民や企業・行政との間で情報を共有し、お互いに理解し協力しあうこと、などです。こういった課題に多くの市民の力で挑戦し、その経験や成果をこのまちから日本全国や世界に発信し、これを認めてもらい、活かしてもらえるようにしていくことが必要です。

誇りと経験の上に立って環境首都へ

 わたしたちは、これまでの誇りと経験の上にたち、日々のくらし方、産業活動や都市づくりのあり方などを、環境の視点から見直します。そして、課題の解決のため、将来と足元を見つめ続けながら取り組みを進め、それを評価し、その成果を新たな取り組みに活かして続けていきます。

 わたしたちは、北九州市を世界の人々から「世界の環境首都」として認められるすばらしいまちへ成長させることをめざします。

基本理念

「真の豊かさ」にあふれるまちを創り、未来の世代に引き継ぐ

 わたしたちの考える「真の豊かさ」は、経済的・物質的な豊かさだけではなく、多様性、公平性、安心、希望や感動や生きがい、優しさや誇りなど、精神的な豊かさを総合したものです。これは、国境や世代を越えて変わらない、人が幸せに生きていくための条件です。

 わたしたちのくらしや仕事は、今、そのすべてが世界や未来につながっています。世界の人々と共に生き、未来の世代へのわたしたちの約束を果し、「真の豊かさ」にあふれるまちを創り出していくことは、持続可能な社会をつくることにほかなりません。

 わたしたちは、「真の豊かさ」にあふれるまちを創り、未来の世代に引き継ぐことを、あらゆる行動の最上位の価値基準に位置付けます。

 そして、わたしたちは、この理念を実現するために、3つの柱を掲げます。

グランド・デザインの3つの柱

共に生き、共に創る

 わたしたち一人ひとりが動けばこのまちが変わり、このまちが変わればさらに世界も動きます。社会は、すべての人にとって共に生きる場であり、また、共に創っていくものです。このような新しい公共の考え方に立って、わたしたちは、一人ひとりが、環境のために行動する権利を持っていることを確認します。この権利は、市民にも企業にも課せられた社会的責任に由来するものです。わたしたちは、環境に配慮した具体的な行動を約束し、環境意識が世界一高い市民になることをめざします。

環境で経済を拓く

 環境に積極的に取り組むことは、わたしたちの質の高いくらしを創ります。また、広い意味での環境関連産業を生み出して地域や産業を活性化させます。これによりもたらされる経済成長は、さらに良い環境を作り出すことにつながり、その良い環境が新たな経済活動を生み出します。このような環境と経済の好循環が、持続可能な社会を創り出します。

 わたしたちは、良い環境をつくることを通じ、新しい価値を生み出す地域社会や、市民の生活感覚や環境の視点を取りいれた次世代型の産業・技術を拓いていきます。

都市の持続可能性を高める

 都市は、多様な機能や高い利便性を有し、わたしたちにくらしやすさを提供する一方で、資源やエネルギーを大量に消費し、環境への負荷を与え続けています。都市を健康で長生きさせるために、くらしや仕事を通じての環境負荷が小さい都市構造への転換、資源・エネルギー利用の効率化や再利用、施設の長寿命化などを進め、持続可能性を高めます。また、このまちに与えられた豊かな自然を活かし、より美しい街並みを整え、その中でくらし、活動する楽しさが感じられる魅力ある環境都市をつくります。

行動原則

 きょうから、わたしたちは、基本理念を共有し、参加し、100万人の知恵と力と勇気を出し合って、多様な取り組みを進めていきます。
 このため、わたしたちは、基本理念に掲げる3つの柱にそって、環境首都を創造していくために必要な原則を「北九州市民環境行動10原則」として確認します。

 北九州市に住み、学び、働き、活動するわたしたちは、この原則を重んじて行動します。

北九州市民環境行動10原則

  1. 市民の力で、楽しみながらまちの環境力を高めます
  2. 優れた環境人財を産み出します
  3. 顔の見える地域のつながりを大切にします
  4. 自然と賢くつきあい、守り、育みます
  5. 都市の資産(たから)を守り、使いこなし、美しさを求めます
  6. 都市の環境負荷を減らしていきます
  7. 環境技術を創造し、理解し、産業として広めます
  8. 社会経済活動における資源の循環利用に取り組みます
  9. 環境情報を共有し、発信し、行動します
  10. 環境都市モデルを発信し、世界に環を拡げます

このページの作成者

環境局環境政策部総務課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2173 FAX:093-582-2196

メールを送信(メールフォーム)

このページについてご意見をお聞かせください

ご注意

  1. 回答が必要なお問合せは、「このページの作成者」欄に記載の部署へ直接お願いいたします(こちらではお受けできません)。
  2. 住所・電話番号など個人情報を含む内容は記入しないでください。