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【サッカー】「銀座でVパレードなぜやらん」 なでしこ石原都知事にタジタジ2011年7月21日 紙面から
2011年女子ワールドカップドイツ大会を制覇した「なでしこジャパン」が、とんだとばっちりを受けた。佐々木則夫監督、DF鮫島彩=ボストン=、DF熊谷紗希=フランクフルト=らが20日、東京都庁に石原慎太郎都知事を表敬訪問した。数分間の歓談後、マイクを握った石原都知事は「銀座Vパレード」を実施しなかった都の姿勢に激怒し、国や日本オリンピック委員会の批判まで大展開。世界一の報告のはずが、石原節の独演会に巻き込まれてしまった。 なでしこの可憐(かれん)な笑顔は消え、言葉もなく、ただ立ち尽くすしかなかった。歓喜の報告をする間もなく、舌鋒(ぜっぽう)鋭い石原流の大演説に直立不動だった。 石原都知事「なんで銀座でパレードをやらないんだっ! ボケなすだよ。何もねぇんだな。バカばっかり。政府もバカ、都もバカ、JOCもバカ。メディアも何で書かねぇんだよ。パレードをやれば盛り上がってね。気が回らないバカというか。選手たちに顔向けできないよ」 なでしこジャパンの功績をたたえ、祝賀ムードを共有しようとしない都幹部の考え、周囲の姿勢が許せなかったのだろう。こうなると、もう止まらない。 「男がだらしなくて、女がしっかりしている。なんで、男はペナルティーエリア内でクルクルとパスを回すんだ。昔の釜本みたいのがいないんだよ。日本の男どもは総理大臣もオレも含めてダメだ。女は根性あるね」 もっとも、石原都知事の腹の虫の居所が悪いのには伏線がある。今月16日、2020年の夏季五輪誘致に立候補し、国内立候補都市に正式決定。2016年夏季五輪誘致ではリオデジャネイロ(ブラジル)に敗退しただけに、「2連敗」だけは絶対に許されない。会場に居合わせたJOCの水野正人副会長に向けて、石原都知事は「こんなことじゃ、オリンピックに勝てないぞ」「JOC、しっかりしろよ。泣き言を言うな」などと、おかまいなく怒声を飛ばした。 水野副会長は「前回(誘致)の時、JOCがふがいなかったという思いが(石原都知事に)あったと思います」と理解を示したが、そんな経緯とは無関係のなでしこジャパンの佐々木監督、鮫島、熊谷両選手は思わぬ展開にぼうぜん、驚くばかりだった。 最後に進行係から感想を問われ、鮫島は「たくさんの方々から感動したと言われ、喜びを共有できたのがうれしい」、熊谷は「本当の勝負はここから。また世界一になれるように日々努力していきたい」ときっちり締めたが、「石原節」の思わぬとばっちりに終始、困惑。ならば、ロンドン五輪で金メダルを獲得して、今度は銀座でパレードをやってもらうしかない!? PR情報
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