名古屋グランパスのMFダニルソン(24)が、得意のミドルシュートで、昨年の再現を狙う。今季まだ無得点だが、優勝した昨年の状態に戻りつつあるダニルソンは20日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで豪快なシュートを連発。7月末にJ1初得点を決めた昨年と同じように、逆襲の号砲を鳴らす。
チームメートも思わず驚きの声を上げた。ミニゲームで、ダニルソンが豪快なオーバーヘッド。中村が「うわあ」とのけぞり、いいもの見させてもらったというふうに、ニヤリとした。躍動感たっぷりのダニルソンは「監督も言ってるけど、昨年の状態に戻ってきている感じだよ」と、エンジンがかかってきた。
故障のため5月中旬に復帰。移籍問題もあって好不調の波が激しい時期もあったが、ようやく落ち着いてきた。後は完全復活を告げるパワフルなゴールを待つばかりだ。
「相手は僕の武器を警戒してくるから、なかなかスペースを空けてくれないね。難しい点もあるが、チャンスを見つけて、いつでも狙っていく」
移籍した昨年のJ1初ゴールは7月28日の湘南戦(瑞穂陸)。強烈な左足ミドルを決めて2−1で湘南を下すと、そこからグランパスは4連勝して首位に立った。
調子が上向く自分自身のことより「戦い方が安定してきた。このまま行けばトップに立つ日も近いだろうし、優勝できると思う」と、昨年のような強さが戻ってきたことを実感している。
超人的なパワーは、ピッチを離れても頼りになる。この日は三都主の34歳の誕生日。チームメートは、ブラジル流に生卵と小麦粉での祝福を計画していた。三都主がスキを見せないため、なかなか実行に移せなかったが、ダニルソンが強引にねじ伏せたのをきっかけに襲撃した。「アレはないよ。逃げられないじゃん」と三都主は、ダニルソンの怪力に、あっさり降参。そのパワーから生みだされるキャノンシュートが、グランパスの快進撃を加速させる。
この記事を印刷する