大手電機メーカー「東芝」の元社員らによる架空取引事件を巡り、ソフトウエアの開発会社が賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所は「元社員の不正は業務の中で行われていた」として、「東芝」の使用者責任を認め、関連会社と合わせて58億7000万円余りを支払うよう命じました。
この裁判は、「東芝」の元社員らが、取引先に架空の売買契約を持ちかけて、巨額の資金を振り込ませた事件を巡り、取引先と関係が深いソフトウエアの開発会社2社が賠償を求めていたものです。20日の判決で、東京地方裁判所の白井幸夫裁判長は、「架空の売買契約は、元社員が偽造した部長名義の印鑑で契約書を偽造して行われており、不正は『東芝』の業務の中で行われた」として、「東芝」の使用者責任を認め、関連会社と合わせて58億7000万円余りを支払うよう命じました。判決について、東芝は「元社員が業務と関係のないところで起こしたもので、会社が責任を負うべきとは考えていない」として、控訴する方針を示しています。