出場権まだですが、なでしこ五輪ツアー！

　Ｗ杯を制した「なでしこジャパン」の活躍と、国内の盛り上がりを受け、旅行業各社は、早くも来夏のロンドン五輪の女子サッカー観戦ツアーの検討に入った。過去の五輪では、注目度の低さから、各社とも女子サッカーをメーンに据えた観戦ツアーは成立しておらず、実現すれば、初の“なでしこ応援五輪ツアー”となる。世界一効果で、旅行業界の期待も今から高まっている。

　空前の盛り上がりを見せる今の状況なら、見通しが立つ。なでしこの次の大目標となるロンドン五輪（来年７月２７日開幕）に向け、旅行業各社も動き出した。

　日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）は、ツアーを取り扱う公式旅行会社を設定している。五輪の女子サッカーをメーンにした観戦ツアーについて、各社に問い合わせると、「前向きに検討しています」（ＪＴＢ）、「考えていきたい。各所と話し合う」（日本旅行）、「この盛り上がりを見ると、ツアーは作りたい」（ｋｎｔ！近畿日本ツーリスト）。なでしこが五輪出場権を得ていないなか、早くも具体的に取り組み始めている。

　過去の五輪で「なでしこ観戦ツアー」は実現しなかった。女子サッカーは人気、注目度とも高くなかった競技。柔道や競泳など日本の人気競技は“単体”でも参加人数が集まり、ツアーとして成立するが、女子サッカーは計算できないため、各社とも実施は見送ってきたという。ある旅行会社の担当者は「女子サッカーは、現地でツアーのお客様のリクエストがあれば、初めて手配して見てもらう程度でした」と話す。

　実は、今回のＷ杯も応援ツアーを企画した社はあったが、人数が見込めないため、ツアーの募集自体まで至らなかった。

　だが、世界一効果で、状況は一変。「もし今の瞬間、五輪開幕なら、女子サッカーツアーにすごい人数が集まりますよ。お客様の反応に期待しています」（ｋｎｔ！担当者）、「初めて“なでしこツアー”ができるかもしれませんね」（日本旅行担当者）と、期待は高まるばかり。一躍、集客競技となった。

　もちろん、９月のアジア最終予選（中国）を突破して五輪出場が決まるが、各社とも、それを信じて動く。ＪＴＢは、急きょ、最終予選応援ツアーも準備しているという。

（2011年7月21日06時02分スポーツ報知）