19日に上行結腸がんによる肺炎のため亡くなった俳優の原田芳雄さん(享年71歳)の通夜(21日)、告別式(22日)が“映画葬”になることが20日、分かった。東京・青山葬儀所には、スクリーンをイメージした祭壇を設営し、過去の名場面の写真などが飾られる。また今秋には、遺作「大鹿村騒動記」(阪本順治監督)の舞台である長野・大鹿村で、原田さんをしのぶイベントも検討されている。
亡くなる8日前に主演作「―騒動記」の舞台あいさつに立つなど、映画に生涯をささげた原田さん。人生の最後を飾るセレモニーも、映画人らしいものになりそうだ。
関係者によると、祭壇はスクリーンをイメージしたものになる予定で、出演映画を上映するプランもあるという。弔辞は俳優の石橋蓮司(69)らが読む予定となっている。
また100本以上の出演作の中から、名場面のスチール写真が数多く飾られるほか、原田さんの歌やブルースの名曲などが流される。親族は「原田芳雄らしいものにしたい」と語っているという。すでに葬儀所には、この日の午前中から大勢のスタッフが集まり、設営の準備に追われた。
一方、深い悲しみに包まれた「―騒動記」の舞台となった大鹿村では、村の知名度を全国区にしてくれた原田さんに、感謝の気持ちを込めた“お礼”を考えているという。近々での追悼イベントなどはないが、作品で重要な役割を果たしている、10月16日開催の「大鹿歌舞伎」で、村全体で原田さんをしのぶ動きが出てきている。
毎回、「大鹿歌舞伎」では2演目が上演されるが、今回は原田さんが劇中で演じた「六千両後日之文章」が有力候補。正式には、9月に入ってから大鹿歌舞伎保存会による会議で決定するが、同村役場の職員は「映画が公開されて初めて来るお客様も多いと思いますし、(選ばれる)可能性が高いのでは」と話している。
突然の死から一夜明けたこの日、東京・渋谷区の自宅には石橋、阪本監督、笑福亭鶴瓶(59)、高橋克典(46)、地井武男(69)、村井国夫(66)、金山一彦(43)・芳本美代子(42)夫妻らが弔問に訪れた。
深夜まで酒宴が行われた前日とはうって変わり、約15人の親族らと静かに原田さんをしのんだ。また、長男で喪主を務めるミュージシャンの原田喧太(41)は葬儀の打ち合わせのため、慌ただしく自宅を出入りしていた。
[2011/7/21-06:05 スポーツ報知]