政治【主張】首相の不適切献金 家族会に説明し謝罪せよ2011.7.21 03:09

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【主張】
首相の不適切献金 家族会に説明し謝罪せよ

2011.7.21 03:09

 菅直人首相の資金管理団体が拉致事件容疑者と関係の深い政治団体に多額の献金をしていた問題で、首相は拉致被害者家族会への謝罪に応じない考えを示した。

 衆院予算委員会で、献金問題を追及する自民党の古屋圭司氏の質問に対して明らかにした。

 献金先の母体「市民の党」から今春の東京都三鷹市議選に、よど号ハイジャック犯と拉致容疑者の長男が立候補して落選した事実をただされた首相は、「私のあずかり知らぬこと」「この問題で謝るということにはならない」などと繰り返した。

 しかし、菅首相は約30年前から市民の党の“機関紙”に寄稿したり、インタビューに応じたりしてきた。同紙には、よど号犯が北朝鮮から寄せたメッセージも掲載されている。首相は本当に「あずかり知らぬ」と言い切れるのか。国民に納得のいく説明が必要だ。

 しかも、菅首相は政府の拉致問題対策本部長の立場にある。就任前の行動とはいえ、知らなかったでは済まぬ重大な結果責任がある。家族会に対し、献金の経緯などを十分に説明したうえで、きちんと謝罪すべきである。

 質問した古屋氏によれば、菅首相や鳩山由紀夫前首相をはじめ、民主党の国会議員や地方議員から市民の党など関連3団体への献金総額は2億円を超えるという。このうち、菅首相側から渡った6250万円の原資の多くは国民の税金である政党交付金だ。

 菅首相と民主党は、市民の党などへ渡った金の使い道も詳しく調査し、国民に報告すべきだ。

 市民の党に属するこの長男をはじめ、よど号犯の妻子らは次々と北朝鮮から日本に戻っている。子供は20人全員が帰国した。

 これに対し、日本人拉致被害者は平成14年に蓮池薫さんら5人が帰国し、16年にその家族らが戻って以降、拉致問題はほとんど進展していない。いまだに帰国していない政府認定の被害者は横田めぐみさんら12人で、拉致された疑いを否定できない特定失踪者を含めると、100人を超える。

 拉致容疑者と関係の深い団体に多額の献金を重ねていた菅首相や鳩山前首相らが、本気で拉致問題に取り組む覚悟があるのか、極めて疑問だ。自民党のプロジェクトチームは、民主党と市民の党、北朝鮮をめぐる深い闇にも徹底的なメスを入れてほしい。

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