2011年07月18日(月) <<前日 | 翌日>>
起床時刻: 04時15分
今日の気分(本文)
早寝早起きの田舎暮らしとはいえ、4時台に起きているのはネコと私だけなので、あまり動き回るのも気がひけ、イヤホンを耳につっこんで繰り返し朗読を流し込んでいます。今日から魯迅の「从百草园到三味书屋」(約2400字、12.5分)を計100回まで。
魯迅は若い頃に翻訳でだいぶ読んでいるので、聞きやすい(気がしている)。朗読は、「朗誦家」と呼ばれる人よりもアナウンサーのほうが、クセがなくて好き。
「なでしこ」の活躍で、けさは早々にぐったり。おめでと~!
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「某所」で「中国語学習や教育(というより学習者と講師らしい)は遅れている」とさんざん言われており、批判する側の「英語上級学習者」(こういうカテゴリーがそもそも意味あんのか?、と思うけど)たちが英語で話している音声が紹介されたので、聴いてみた。
会話のレベルも「いばるほどですか?」だけど、内容が悲惨。これだから「英語屋」とか「語学ちゃん」とか言われてしまうのだと思う。通訳や実用翻訳の業界事情は厳しいらしいけど、そりゃ仕方ないでしょ、と思うな。
語学のプロとしての通訳や翻訳が必要な場面って、2種類ある。
一つは、英語(中国語)が分からない、苦手な人たちが、頼む。
一つは、ある程度できるけど、他の業務も忙しいとか、間違いがあっては困るので念のために、プロに通訳や翻訳を任せる。
前者がむかしは多かったのだろう。メーカーで「英語屋」をやっている、というのはこのケース。「もう少しエンジニアも英語なんとかしろよ」というけど、それがあなたの仕事であって、あなたから英語とったら何が残りますか?、という話。
昨今のそれなりの企業なら、英語(中国語も)はけっこうできます、という社員が多いと思う。それでも、契約書を交わす等の大事な場面では、言質をとられないように語学部分は専門家に任せる、ことがあると思う。外交なんか、とくにそうですよね。自分が多少英語話せるからって、話しちゃいけません。挨拶程度ならいいけど、大事なことは日本語で話すのが、ホンモノです。(田中真紀子は自称通り「主婦が外務大臣になっちゃって」という最悪パターンでした)
どの世界もそうだけど、裾野が広がらないと、頂点が高くならない。中国語は90年代から学習者が急増し、同時に中国から日本へ留学や就学生としてくる人も急増したので、専門知識のない留学生がアルバイトで中国語講師や通訳ガイドをやったり、確かにしていたかも知れない。でもこれからどんどん変わると思う。
そういえば8月のハルピン行きのチケットとビザ、手配してくれたのは日本人スタッフだったけど、受取りにいった日はお休みで、代わりに応対してくれた男性が、どうも発音が中国人っぽい。帰り際にカウンターのこちらまで出てきて見送ってくれたので名札をチェックしたら、やっぱり「李さん」でした。
こういう人もこれからどんどん増えていくでしょう。日本で勉強して、そのまま日本で就職する中国の人。経済格差があったので逆パターンは少数でしたが、中国で就職しようとする日本人も増えているらしい。
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「古漢語入門」テキスト見ながら朗読を高速再生で聴く。(105回め)
コメント
why
2011/07/18 12:14
春月さん ご無沙汰しましたが、お元気でいらっしゃいますか。突然のコメントに驚いていらっしゃるかもしれませんが、お友達の紹介でここに辿りつけました。なんだか意外な再会に感激してせめてご挨拶でもと思いました。
通訳は語学ちゃんの話し、耳に痛いですね。でもおっしゃるとおりだと思います。
>裾野が広がらないと、頂点が高くならない
高い頂点を目指しながら登れば、自分の至らなさにどんどん気づいてとても大きなことが言えなくなりますね。自分から中国語や日本語をとったらいったい何が残るでしょうと、いくら問うてみても答えはいつも一つしか出ません。何も残りません。これを取られても他の何かを残すために、そして今あるたった一つだけの持ち物を誰からも取られないために、どうすればいいかを考えてみなければなりません。春月さんの記事を拝読して改めてそう気付かされました。
「虚懐若谷」という言葉がありますが、自分の知っていることはほんのこれっぽっちで、それよりは知らないことのほうがずっと多いですね。謙虚にならないと成長が望めません。
示唆に富んだ記事で多々参考になります。これからも時々お邪魔させてくださいね。季節柄、お体をご自愛ください。
akira
2011/07/18 13:10
おお!これ同意です。私もつい「これって、何がすごいの?」って書き込みそうになっちゃったんですよ!水準がすごいのを見せたければ、同時通訳の練習現場を録ればいいのにね。特に日⇒英で完璧にやってくれれば、本物のプロだと納得できるのに。
内容ある会話するだけなら、海外で外国の研究者と討論する機会のある研究者はみんなあのぐらい話せますよね。知人が英国の大学で講義してますが当然あのぐらいは英語で話しますし、雲南で人類学者をしている女性は、英語も中国語もあんなレベルではなかったです。あれの何が自慢なのか、全くわけわかんないです。まあ、男性にしては発音がいい方と思いますけどね、女性なら普通だけど。
これ以上、あちらで迷惑かけられないので、こちらに書きました。すみません。(笑)
jiangnan
2011/07/18 13:15
あらいけない、見つかってしまいました。ちょっと書きすぎたと思ったので、一部削りました(笑)。
whyさんは日本語も素晴らしいし、日本文化や習慣への洞察も深いし、通訳や翻訳を安心して任せられるじゃないですか。そういう方と勝負できる日本人を育てたいし、自分もまだまだ勉強しなくては、と心をひきしめています。
中国語を熱心に勉強している方たちからパワーをもらっています。ただ中国への距離、中国語への距離の取り方が、日本人はまだ「愛憎半ばする」ような、ヘンな具合ですね。それが残念で、つい余計なことをあちこちで言いたくなってしまいました。
私もがんばります!
jiangnan
2011/07/18 13:24
ひえ~~、akiraさん、あなたですね、言いつけたのは(笑)。
私は通訳や翻訳をめざす人には、がんばって欲しいんです。「語学のプロ」になるには、そりゃもう膨大な努力やセンスや経験や体力や人柄や運・・が必要になると思うし、まだ中国語は開拓時代だから苦労するだろうな、と思います。
だから英語と比べてどうの、他の学習者と比べてどうの、実際に十年やったくらいでどうの(←しつこい。笑)、言っているヒマないと思いますね。・・そういう自分はなんだ?(笑)
cowley
2011/07/18 17:44
こんにちは、またおじゃましています。
>専門知識のない留学生がアルバイトで中国語講師や通訳ガイドをやったり、確かにしていたかも知れない。でもこれからどんどん変わると思う。
同感です。「これからは中国の時代」と中国語を始めた日本人が中国語で仕事のできるレベルになかなか達しないでいるうちに、中国人は確実に日本社会に入ってきている。人がいないからとりあえず間に合わせで留学生ではなく、戦力として卒業する留学生をとる企業が増えてきているし、通訳案内士資格をきちんととっている人も多い。日本人もがんばればいいのです。
jiangnan
2011/07/18 20:40
またまたありがとうございます(笑)。日本の中級テキストは文学に偏りすぎていました。編纂する先生たちの専門がそっちだったので。中国の留学生用テキストは、人文・社会・自然、まんべんなく出てきますよね。
私が30年前の私に勧めるとしたら、
初級 語言大「301句」(日本語注釈版)
中級 北京大「博雅漢語」(青色とピンク色の表紙の)
をしゃぶるまでやって、一気に「中級の森を抜けてしまえ~!」と励まします。これをメインにして、あとはサブでいろいろ補強。中国語教師としては、遠回りしてよかった点も多々ある、とは思っていますけど。
通訳は語学力だけでなく、世話好き、人のペースに合わせるのが苦にならない、知らない分野のことも興味をもって調べられる、知識やスキルだけでなく好奇心がある、向上心がある、体力もある、失敗しても反省するべきは反省したら気持ちを切り替えて次に生かす、(ガイドなら)何度も新鮮な面白さを持って人に伝えられる、・・などなども必要だろうなあ、と思います。
きっとやりがいのある仕事ですよね。
miki.lucy
2011/07/19 03:29
初めまして!
dragokuuさんのところから来ました。
実は、以前から、こっそりお邪魔して、素敵な先生だなぁ~と
草葉の陰から(ウソ)尊敬しておりました(←これは、本当です!)
(↑よく生徒が間違って使います。)
通訳・翻訳・ガイドの方々には、先生の仰る通りの意味でがんばってもらいたいです。
翻訳本の中には、もう、本当にがっかりするようなものが
まだ時々あるのが、残念です。
中国語に関しては、私、実は何度も挑戦しては、
超初心者の時点でギブアップしています。
ついつい、
「発音が分からなくても、だいたいの意味は分かるから…いいか」
(なんちゃって漢文読みしてしまうので)
と、投げ出してしまうのです。
あ。こんな超低レベルなことを書いてしまって、すみません~(大恥)
jiangnan
2011/07/19 04:47
おはようございます。
私はハングルに何度も挑戦しては、超初級で「発音がいい加減だけど、韓流ドラマおもしろいから、まっ、いいか~」になってます(笑)。あの文字が、どうしても識別できなくて。
前に宝島社の超超初心者向けテキストを睨んでいて、「つかんだ!」と思ったんですけど、またしばらくやらなかったら、「何をつかんだんだっけ??」状態に。。 辞書引き引き、舐めるように読むならできます。ドラマ「チャングムの誓い」を見ていて、ハングルの縦書き毛筆体もきれいねえ、と憧れは尽きませんが。
Ron
2011/07/21 00:32
春月先生
akira先生
お世話になります。
こちらにリンク貼らせていただきます。よろしくお願いいたします。
http://blog.alc.co.jp/blog/tangchaolizi/213769#Comment
http://blog.alc.co.jp/blog/tangchaolizi/209365#Comment
jiangnan
2011/07/21 04:33
はあ~リンクですか~? 殴り込み?(笑)
こりゃ滅多なことを書けませんね。(という性格でもないな・・)
中国語だって負けませんよ!(笑)
切磋琢磨しましょう!
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