沢の地元・府中市、凱旋パレードへ準備着々

なでしこジャパン世界一を祝福する横断幕のデザインを持つ「学園通り中央商店会」の堀江副会長

　サッカー女子Ｗ杯で優勝したなでしこジャパン。得点王とＭＶＰに輝いた主将・沢穂希（３２）の地元・東京都府中市では、凱旋パレードに向けた準備が着々と進んでいる。

　「祝　なでしこジャパン！　Ｗ杯優勝！！」「『あきらめない気持ち』感動をありがとう」―。沢の実家近くの「学園通り中央商店会」は１９日、祝福の横断幕を完成させた。縦９０センチ、横６メートルで、日本代表のイメージカラーの青と白、日の丸の赤と３色で、お祝いメッセージをあしらった。２０日には、沢が小学生時代にプレーした「府ロクサッカークラブ（ＳＣ）」が練習する府中第六小前の歩道橋に掲げる予定だ。

　製作した同商店会副会長の堀江一男さん（４１）は、準々決勝のドイツに勝った後、「優勝したら横断幕を作らなきゃダメだ」と計画。自身は、東日本大震災で被災した宮城県石巻市などに支援物資を３度運んでおり「被災者に『あきらめない気持ち』を持ち続けてほしい」との願いを込めた。

　パレードに向け、商店会は急ピッチで調整している。コースは商店が並ぶ学園通り沿いの約６００メートル。沢が乗るオープンカーは「アメリカに勝ったから景気よく」（堀江さん）と、１９６８年米国製の白い「カマロ」で、府中署への道路使用許可も近日中に申請する。市民が振る応援旗の製作に着手し、デザインは「日の丸」か、沢の名前入りか検討中という。

　残る課題は、沢のスケジュールだけ。この日帰国した沢は、２４日になでしこリーグ千葉戦（神戸）に臨み、その後も祝賀イベントなどで引っ張りだこになるのは必至だ。

　商店会では、毎年恒例の府ロクＳＣのＯＢ大会が行われる８月１３日を想定。同ＳＣ関係者を通じて、沢の母・満壽子さんと連絡を取り調整しており、沢も「地元に帰ってきたい」と話しているという。７月中に帰郷する可能性もあるため、堀江さんは「沢さんがいつ帰ってきてもパレードができるように準備万端でいたい」とノリノリだ。

府中市役所の庁舎にもお祝いの垂れ幕が掲げられた

　◆市庁舎には垂れ幕！！　○…沢の地元・府中市の市庁舎には１９日、なでしこジャパンの世界一を祝う垂れ幕が飾られた。大きさは縦６・５メートル、横８５センチで、「祝　澤穂希選手　ＭＶＰ・得点王」と市出身のスターをたたえた。１８日の優勝決定後に、同市の生涯学習スポーツ課が緊急会議を開いて手配し、沢らメンバーが帰国する１９日に間に合わせた。同課担当者は「なでしこジャパンの栄誉をもらい、府中市と日本を元気にしてほしい」と、語っていた。

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