小沢民主党元代表の元秘書に禁錮３年６月～１年を求刑

　小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件で政治資金規正法違反罪に問われた元秘書３人の第１６回公判が２０日、東京地裁（登石郁朗裁判長）であった。検察側は「虚偽記入をしたのは明らか。法の趣旨を踏みにじった国民に対する背信行為だ」として、元私設秘書の衆院議員・石川知裕被告（３８）に禁錮２年、元公設第１秘書・大久保隆規被告（５０）に禁錮３年６月、元私設秘書・池田光智被告（３３）に禁錮１年を求刑した。

　判決は９月２６日午後１時半から言い渡される。

　検察側は論告で、小沢元代表からの借入金４億円について「元秘書と元代表は具体的な説明をしておらず、原資を公にできない性質の金だった」と強調。石川議員が４億円を分散して入金し、元代表名義で銀行融資を受けたことを「借り入れを隠蔽するための偽装工作」と批判した。

　中堅ゼネコン水谷建設から計１億円の「裏献金」に関しては、同社前社長らの証言を「具体的で信用できる」とし、「土地取得と近接した時期に胆沢ダム（岩手県奥州市）の下請け工事を請け負った水谷建設から現金５０００万を受け取った。土地代の原資を詮索されるのを恐れた」と指摘した。

　その上で「大久保元秘書は虚偽記入の提案を受け了承した。土地登記の繰り延べを自ら不動産業者と交渉するなど極めて重要な役割を果たした」と述べ、３人について「小沢事務所の収入の実態を世間から覆い隠し、政治への不信感をまん延させた」と非難した。

　公判で大久保元秘書は報告書作成への一切の関与を、石川議員と池田元秘書は虚偽記入の認識を否定し、いずれも無罪を主張している。

　この日は冒頭に証拠採用された供述調書の要旨が読み上げられたが、検察官調書の採否をめぐって地裁は６月３０日付決定で「心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜ巧妙に誘導した」と特捜部の捜査を批判。石川議員が自らの虚偽記入や大久保元秘書の関与を認めた内容を含む１１通を不採用とし、ほかの調書も相当な部分を採用しなかった。

　起訴状によると、元秘書は陸山会の土地購入費に充てられたとされる小沢元代表からの借入金４億円を０４年分報告書に、返済金４億円を０７年分に記入しなかった、などとしている。

（2011年7月20日15時02分スポーツ報知）