2011年7月20日 19時33分 更新:7月20日 20時8分
消費者庁の有識者検討会は20日、脂質など5種類の栄養成分について、メーカーなどに表示を義務づけるための指針をまとめた。同庁が来年度中に提出を目指す「食品表示に関する一元化法」案に盛り込む方針。ただ焦点だったトランス脂肪酸の個別の表示義務化は先送りされた。
栄養成分表示は現在、カロリーカットなどをうたう製品以外は義務ではなく、企業などが任意で実施している。指針では、義務化の対象として(1)エネルギー(2)ナトリウム(3)脂質(4)炭水化物(5)たんぱく質--を挙げ、この順で表示すべきだとした。ナトリウムは高血圧症と関連し、日本人の摂取量が多く、表示の優先度が高いと判断した。
一方、トランス脂肪酸は、過剰摂取により心疾患のリスクを高めるとの指摘があるが、日本人を対象とした科学的データが不足しているとし、今後も検討を続けるべきだとした。【水戸健一】