白鵬「まさかだよ。大先輩がいなくなった」…魁皇引退

魁皇の引退について記者の質問に答える横綱・白鵬

　大関・魁皇が名古屋場所１０日目の１９日、引退を決めた。大関・琴欧洲に押し出され７敗目を喫した打ち出し後に名古屋市緑区の部屋で師匠の友綱親方に引退の意思を伝え、師匠が発表した。若貴兄弟、曙と同期の８８年春に入門。持ち前の怪力を武器に大関に昇進し５回の優勝を飾る一方、度重なるけがと懸命に闘った２４年の力士人生。今場所で新記録を達成した通算最多の１０４７勝を花道に土俵を去る。今後は年寄「浅香山」を襲名し友綱部屋付きの親方として後進の指導を務める。

　魁皇の引退発表を受け横綱・白鵬（２６）＝宮城野＝が力士を代表して名古屋市・緑区の宿舎で会見を行った。突然の引退に「まさかだよ。場所前の伊勢神宮参拝の時にはそういう雰囲気ではなかったけど。１０４５勝の達成感があって（引退しても）いいんじゃないかというのもあったんじゃないかな」と感慨深く語った。

　十両以上の力士で構成される力士会では力士をまとめる大きな存在だっただけに「大先輩がいなくなったのは一つ、二つ気を引き締めなければいけない」と語った。

　この日の取組では、昨年九州場所で連勝を６３で止められた“天敵”稀勢の里を上手投げで破り１０連勝。前人未到の８連覇へまた一歩前進した。