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激動の「百貨店業界」総まとめ<2011年上半期>
2011年07月19日 15:30 JST■メンズ館、アウトレット、新展開が続々
各百貨店の差別化を図る取り組みの一つとして、伊勢丹百貨店の「リ・スタイル」をはじめとする自主編集売り場があるが、J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店では、ヤングレディースを集約したフロア「うふふガールズ」の展開を広げている。「大丸心斎橋店」、「大丸京都店」、「松坂屋銀座店」に続き、2011年3月には「大丸梅田店」内に導入。2010年には「Forever 21(フォーエバー 21)」などファストファッションの百貨店進出が目立ったが、ターゲット層を広げるとともに、いわゆる"百貨店ブランド"という垣根が低くなっている傾向にある。
もうひとつの傾向として上げられるのが、メンズブランドの集約。「大阪高島屋」には「タカシマヤメンズ」のフロアが新設された。「JR大阪三越伊勢丹」にはヤングレディースフロア「Isetan Girl(イセタンガール)」と、メンズフロア「ISETAN MEN'S(イセタン メンズ)」が誕生。阪急阪神百貨店では、大阪の「阪急百貨店メンズ館」に続いて2011年秋に東京・有楽町へ「阪急MEN'S TOKYO」のオープンを控えている。
また、新事業として伊勢丹百貨店がアウトレットモールに出店を発表。8月3日〜28日まで「御殿場プレミアムアウトレット」に期間限定でオープンする。
■定休日復活など、原点に返る百貨店
大震災後には、節電を考慮して多くの百貨店が営業時間の短縮を実施した。その後、ほぼ通常営業に戻ったが、チャリティー活動や、切実な電力不足を考慮した節電への対策は続いている。三越伊勢丹ホールディングスは、これをきっかけに「伊勢丹新宿本店」、「三越日本橋本店」、「三越銀座店」の3店舗について8月より定休日を設定することを発表した。同グループはこれにより、サービスレベルの向上や効率化を図るとしている。
「震災後もお客様は来店してくださいました。売っている物は服だけではありません。食品や日用品などを必要としている方もいますから」と話すのは、「伊勢丹新宿本店」で婦人小物を扱う男性社員。各社、震災の影響は大きかったが、文字通り"百貨"を売る店としての存在意義を意識したのが2011年上半期だったのではないだろうか。今後も厳しい環境や再編が続くと見られるが、各社それぞれが新しい百貨店モデルの構築や、よりいっそうの企業価値向上を目指している。
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