20日午後6時ごろ、広島県三原市の不動産会社内で「男女3人が男に刃物で刺された」と近くの交番に通報があった。駆けつけた警察官が、現場にいた無職黒瀬和政容疑者(36)=同市皆実4丁目=を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。女性2人は搬送先の病院でまもなく死亡。黒瀬容疑者は自分の腹も刺しており、県警はいったん釈放して手術のために入院させた。回復を待って事情を聴く方針。
死亡したのは、いずれも同市在住で、容疑者の母親の黒瀬芳江さん(63)と、事件現場となった不動産会社の経営者、棟久(むねひさ)美穂子さん(78)。同社社長の木村英和さん(71)も右胸を刺されて重傷を負った。
三原署によると、黒瀬容疑者は20日午後5時50分ごろ、同市宮沖2丁目の「棟久不動産」に、刃渡り16〜20センチの文化包丁と刺し身包丁の計2本を持って侵入。入り口付近にいた芳江さんの腹部などを刺し、店内にいて制止しようとした木村さんと、棟久さんを相次いで刺した疑いがある。
黒瀬容疑者はその後、自分の腹も刺したという。社内にいた別の女性が近くの交番へ逃げて通報。駆けつけた警察官の問いかけに同容疑者が「自分で刺した」と認めたため、現行犯逮捕したという。現場は三原市役所の西約400メートルの住宅街。