福島第1原発:海水注入中断…首相が指示否定 衆院復興委

2011年5月23日 11時43分 更新:5月23日 13時2分

衆院東日本大震災復興特別委で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月23日、藤井太郎撮影
衆院東日本大震災復興特別委で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月23日、藤井太郎撮影

 菅直人首相は23日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発1号機の炉心冷却のための海水注入が3月12日に55分間中断した問題について「私や首相官邸の会議のメンバーが注水を止めたということは全くない」と述べ、首相が東電に中断を指示したとの見方を否定した。内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は、海水を注入すれば「再臨界の危険性がある」と発言したと一時発表されたことに関し「首相から海水注入の問題点を洗い出せと指示があり、『再臨界の可能性はゼロではない』と申し上げた」と説明した。

 ◇「開始報告なし」

 復興特別委は、政府の復興基本法案や自民党の対案などを審議するために設置され、23日が初の実質審議。自民党の谷垣禎一総裁らは海水注入の中断が事態悪化を招いた可能性もあるとして、首相の責任を追及した。

 これに対し、首相は3月12日午後6時から官邸で行われた会議で、海水注入の開始まで1時間半程度かかると東電から指摘を受けたと説明した。実際には東電は午後7時4分に海水注入を始めていたが、官邸で検討が続いているとして同25分に中断。首相は自らの関与について「注入を始めたという報告は(東京電力から)私や官房長官、副長官に上がっていなかったので、(政府が注入を)やめろとか、やめるなとか言うはずがない」と否定した。

 一方、首相は復興基本法案について「自民党案のいい部分はしっかり受け止めたい」と述べ、修正協議に前向きな姿勢を示した。額賀福志郎氏(自民)が「今国会に2次補正予算案を提出すべきだ」と求めたのに対して、「今後どういう施策が必要か、皆さんの提案も受けて検討したい」と述べるにとどめた。【松尾良、吉永康朗】

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