福島第1原発:3号機流出は20兆ベクレル 限度100倍

2011年5月21日 13時1分 更新:5月21日 15時15分

無人ヘリが4月10日に撮影した福島第1原発3号機の原子炉建屋=東京電力提供
無人ヘリが4月10日に撮影した福島第1原発3号機の原子炉建屋=東京電力提供

 東京電力福島第1原発3号機の海水取水口近くにある「ピット」と呼ばれるコンクリート製の穴から、11日に高濃度の放射性汚染水が海に流出しているのが見つかった問題で、東電は21日、流出は約41時間続き、年間の海洋放出限度の約100倍に相当する20兆ベクレルの放射性物質が海に漏れていたことを明らかにした。

 東電によると、タービン建屋内やケーブルを納めるコンクリート製のトンネル(トレンチ)にたまっている汚染水がピットへ流れてきたとみられる。11日午後に作業員が発見、同日夕にピットをコンクリートで埋めて流出を止めた。上流側の水位変化をもとに、流出は10日午前2時ごろから始まり、約250立方メートルに及んだと推定し、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。

 東電は流出した放射性物質の海洋への影響について「沿岸15キロ地点での測定で観測されていない」と説明。海への流出につながる恐れのあるピット27カ所を、6月末までにコンクリートなどで封鎖するという。【平野光芳、比嘉洋】

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