迷列車でいこう 迷鉄編 1  「一番の迷車は何」



最近の迷鉄車両の中で皆さんが考える一番の迷車といえば、どの車両だろうか。



特急用車両1230系の事故で魔改造され、その後も栄生脱線の餌食となった1380系か。


9年という短命に終わった1600系の魔改造車両、1700系か。





それとも特急車両からまさかの通勤車両に魔改造された5000系か。




しかし、それらの車両はただの「魔改造」をされただけで、特に「迷車」と呼ばれる要素は少ない。


というより、こいつを前にしたら、どんな迷車の迷鉄車両も霞み曇ってしまう。


それは、どんな車両なのか。







私です。3100系です。





・・・・・・・・何かの間違いではないのか。


あの、あの3100系が「迷車」??


本当に何かの間違いではないのか??



3100系とは、3700系通勤型車両の2両組成版。IGBT素子のVVVFインバータを搭載、最高時速は営業運転時はOSRの影響で120kしか
出ないものの、130k運転も可能。電気指令式ブレーキを搭載している他の車両との併結が可能で、普通から2200系に連結して快特運用まで、オールマイティな働きが出来る名鉄の「名車」。




名鉄で一番良く見る車両と言っても過言ではないこの車両が、何故「迷車」なのか???


3100:はい、確かに私は有名な車両ですが、その中にも「迷車」と呼ばれる分類があるのです。私の車号は3123。2000年から製造された最後の3100系。所謂「3次車」という奴です。




その3次車に一体どんな「迷」があるのか・・・・






3100:まずは、この運転台をご覧下さい。こちらは従来の3100系の運転台です。

3100:いきなり目に付くのは「T字」の大きなワンハンドルマスコン。これがこの車両のマスコン、ブレーキです。
その他機器も、シンプルに取り付けられています。
実は、これは先輩3500系と全く同じ構造なのですが、私3次車はと言うと・・・






ナレーター:あれあれあれえ??真ん中にモニターが付きましたよ・・

3100:そうなんです。これは1600系にも搭載されていたモニターなんです。つまり、名鉄の通勤車で初めて「モニター制御」を搭載した先駆け車両なんです。


ナレーター:凄いじゃないですか。あなたが3300系や3150系の元となったんですね。


3100:いえ、3300にも3150系にも、私のとは全く違うモニター「Tics」が付いています。


ナレーター:えぇぇぇ?何故ですか??


3100:答えは簡単です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「故障が多い」・・・・・・・・・・・・・・・・からです。

ナレーター:えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・




3100:このモニター制御で行先幕を変えると、しょっちゅう故障します。特に走行中に変えると、大変です。


ナレーター:それって、大丈夫なんですか??



3100:そこは流石「迷鉄」、騙し騙しやってます。



ナレーター:でも、迷なのは、それくらいですよね??



3100:いえいえ。まだまだありますよ。あなたは名鉄で起こった事故といえば、どのようなのをご想像しますか??


ナレーター:栄生の脱線とか、1000系が脱線して、その後後ろの4両が1380になったとか・・・??



3100:あなたは忘れていますね。昔似たような事故が立て続けに2回起こっていることを・・・





3100:これです。新岐阜駅衝突事故・・・・。これの犠牲になったのが3123F・・・つまり私です。

その一年前にも新羽島で3211Fがこのように衝突するという事故がありまして・・・



ナレーター・・・


3100:つまり、不吉な車両だということです。


なるほど・・・だけど、それだけでは、ただの呪われた車両というだけで、全く「迷」ではないですよね。





それでは最後に、取って置きのをお教えしましょう。




3100:これは3150系についている中間車掌スイッチです。上に緑のボタンがついていますよね。
これは何かわかりますか??


3100:これは、乗降促進チャイムのボタンなのです。これを押すと・・・



チャイム:てぃんこてぃんこてぃんこてぃここてぃここてぃんこてぃん



3100:このように音楽が鳴ります。



ナレーター:でも、3100にこのチャイムは付いていませんよね??




3100:確かに、このチャイムは2000系、2200系や3150系、3300系などしか付いていません。しかし、3100系3次車にもこのボタンがついているんです。



ナレーター:なら、何のためにあるんですか??




3100:では、どのような音が鳴るか、押してみましょう。






チャイム:ぽぽぽん!ぽぽぽん!ぽぽぽん!!(名古屋市交通局のドアチャイム)



ナレーター!!!



3100:お分かりですか、名古屋市営地下鉄でもおなじみのこのチャイムが、3100系3次車には付いているんです。

1600系にも同じくこのチャイムが装備されていましたが、現在は先ほどの新しいチャイムに変更されています。


ナレーター:まさか・・・このような装置がついていたとは・・・



つまり、3次車は名鉄の中でもレアな存在で、かつ「迷」な部分が沢山存在する車両なのです。





fin


戻る

inserted by FC2 system