私も含めてですが、女性というのは「食べ歩き」を目的としたり新店を次々巡り歩くのが多いように思います。
その点男性は至ってオーソドックス。
一度気に入ると、とことん通いつめたりする傾向にありますよね。
ヘアーリキッドやオーデコロンでさえ、気に入ったものがあれば変えたがりはしませんし、一生同じものを使い続けるタイプの方だっております。
グルメツアーや温泉ツアーなどの企画に、すぐ乗りたがるのも女性。
繰り返し同じ店を利用し続ける楽しみを、と言うより「今度はどこへ行こうかしら!?」と色々制覇することに意義を感じるため、なかなかいい店で大事なもてなしを受けたり、せっかく顧客になれるチャンスにも恵まれる方が少ないのが現状、とても残念なことです。
お気に入りのいい店が見つかったら、出来れば一度二度の利用のみで店に対する評価を決定せず、何度も足を運んで繰り返し自分の好みを覚えてもらうのが「いい店」との付き合いです。
さて、いい店で大切な扱いを受ける・・・そのためには、まず何といっても、店側にご自分の顔を覚えてもらわなくてはなりませんね。
例えば利用目的が「お忍び」だとしてもです。
「あの方は以前もいらしたことある。。。様」とか、「確か以前お料理のタイミングには、とてもうるさかったはず」とか、些細なことでも自分を印象づけておく。嫌われない程度にです。
後々「もう何度もこの店に足を運んでるのに、いつまで経っても自分の好みを理解してくれようとしないわ」と嘆くより、ハッキリ正確に自分の希望を受け入れてもらうことのほうが先決です。「この方は、なかなか口うるさい客かも・・・」と印象付けておく手も必要とされるのです。
しかし、いわゆる「一見の客」である頃は、それを発揮してもなんら効果はありません。
それどころか、あまりに我侭過ぎても「出来れば来店して欲しく無い客」として店側かは予防線を張られ、別の意味で顔を覚えられてしまい、店用ブラックリストに載ったり、時には撃退ムードになってしまう事もあるので、あまり「煙たがられる」ような「押し付けがましさ」も程々にしなくてはいけないようです。
店側の対応が違ってくるのは・・・
1 尊大で、料理・酒にも知ったかぶり、教えようとする
2 いつまでも喋ってばかりで食べない、飲まない
3 表現が乏しい
4 高級店に対する認識がまったく無い
5 高い料理を注文し、なんのコメントも無く出て行く
反対に低料金の料理を注文し、文句ばかりつける
6 勘定の際、思いっきり苦情をつける
7 設備に対して(トイレが狭い、とか、店内の色彩が好
みじゃない、とか)ゴタクを並べる
8 散々値踏みした挙句、最後には実は自分が同業者であ
ることなどを言い含めたり、エセグルメを気取ったり
・・・単純な飲食マナーでも結構出来てない場合が多いのです。
特に日本人は「旅の恥は掻き捨て」と言われるとおり、他県や海外のレストランやホテル、料理屋で、いまだにとんでもないヒンシュクを買うような行動に出がちの方々が結構おります。
大酒を飲んで暴れたり、金にモノを言わせ支配人クラスに土下座させたり、それはそれは裏事情を話したら、とてもキリがありません。
どんなにエライ?お仕事の方だって、信じられない程、人間性を疑いたくなるような行動に出ることもあり、翌日になって自己反省しておられる方も多いようで、失態を詫びる手紙や電話もあるようです。
もしも意に沿わず気に入らない事ばかりで「二度と来店しない!」と言う気持ちがあったとしても、それは心の中で思ってればいい事で、あからさまに思いっきり表現するのは、どちらにとっても気まずい思いが漂うだけ。それに、これでは店側からだけでなく、一緒に会食をした方々からも嫌われてしまいがちです。
いい店から最大限に「大事にされる」というのは、誰にとっても、とてもお得なことなのです。
そのためには、次のように振舞ったらいかがでしょう。
1 応対してくれる担当者にも料理人にも、まず感謝の心を
2 料理にも酒類にも知識があろうとなかろうと、まず素直
に今日の料理を褒める
3 コメントする時は「こちらを気に入って、時々つかわせ
ていただいているんだが・・・」と、何度か足を運んで
いることを告げる
4 料理を残す時は、ひと言「言い訳」を考えておく
5 他店と比較した話を持ち出してはならない(特にライバ
ル店の話はしない)
6 店側の裏方の話や調理方法を聞きだしてはならない
(余程親しくなっても)
7 靴を脱いであがる飲食店の場合は、磨かれた良い靴を履
いていく
ドレスコードのある店へは出来る限りクラス感ある服で
きちんとした身だしなみで行く
8 入店した最初のぐさが見られている
いつも高級店を使い慣れているような優雅な風情で
9 出来る限り店のスタッフとおしゃべりし心を通わせる
いかなる高級店であろうと、客を迎え入れるマネージャー・責任者は、最初の第一印象で席へご案内する、と言われています。
私もそうなのですが、客の身のこなし・態度・しぐさ・所持品等で、一目してその方の職業、地位、ひいては大抵年収までをも瞬時にして掴み取る訓練が出来ています。
以前ほど「バッチ族」は無くなり「バッチ」で職業を判断できなくなりましたが、それでも男性の場合は特に、
学者なら・・・教授か、助教授か、講師か、助手か
医師なら・・・開業医か、勤務医か、大学関係者か
官僚なら・・・トップクラスか、部長・次長か、主査・補佐か
会社なら・・・社長か、専務か、常務か、部長か、課長か
・・・IT関係、銀行員、ゼネコン、等等・・・皆それぞれそれなりの立場の方々は、背中にご自分の看板を背負ってるわけですから、あえて名刺交換するまでもなく、客商売には客商売の常識、暗黙の了解として、客を見分ける体制や千里眼が常に必要とされるわけで、百発百中客筋を当てる凄腕のプロも存在するのです。
そういう意味では、主婦層が最も手ごわい客と言えます。
いわゆる背中に看板を背負っておりませんし、社会に揉まれておりませんので何でも言えるわけです。独特のカラーがあるわけでもなし、掴みどころ無く、どこに主体性があるか全く検討がつかないのに、店に対する評価が大変厳しい。「こんなもの私だって造れるわよ」と言うのも、主婦層が圧倒的に多いのです。
客商売の裏事情から言えば、こういった女性陣から気に入ってもらえるプロは尊敬に値します。百貨店の外商部なども、こういった奥様方相手ですので様々な苦労はありますが、この筋にかけては誰にも負けないというプロがおりますよね。
客商売のプロから、客として大事に扱われ、気に入ってもらう、それはあししげくその店に通い詰め、店の人と出来るだけ親しくなる、それがまず最優先だと思います。初めて行った店から特別扱いしてもらおうと思っても、それは思うだけ損です。高級店には必ずキーマンというのがおりますので、とにかく「顔」を覚えてもらう努力は必要です。
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