【ソウル西脇真一】日韓が領有権を主張する島根県・竹島(韓国名・独島)問題で韓国が日本の姿勢に反発を強めている。日本外務省が竹島上空をデモ飛行した大韓航空機を出張などで利用しないよう職員に指示したのがきっかけ。ソウルの日本大使館前では19日、300人が抗議した。
日本外務省は18日から1カ月間、大韓航空機の利用を自粛するよう職員に指示した。また、自民党の議員が8月1~4日に韓国を訪ね、竹島の玄関口の鬱陵島などを視察する予定だ。
金滉植(キムファンシク)首相は19日の閣議で「大変遺憾」と批判。外交通商省の趙炳〓(チョビョンジェ)報道官も鬱陵島視察について「両国関係発展のためにならない」と自制を求め、入国禁止措置などを含め「すべての可能性を視野に対応策を検討していく」と述べた。
日韓関係は李明博(イミョンバク)政権発足後の08年7月に中学校の新学習指導要領解説書に「竹島」が明記されたのを機に揺れたが、それ以降、比較的平穏に推移してきた。だが、来年4月に総選挙を控える韓国では、竹島を訪問して注目を浴びる国会議員や閣僚らもいる。竹島関連の民間団体は19~21日にソウルの日本大使館前での抗議集会を計画。初日に参加した男性は「日本の対応は理解しがたい」と怒りをあらわにした。
毎日新聞 2011年7月20日 東京朝刊