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  シーカー 作者:安部飛翔
第二章
3話
 スレイが目覚めた時には既にジュリアは起きて着替えをすませていた。
 今は朝食の準備などを行っている。
 あの後、思う存分ジュリアを抱いた後、一時の休息中にふと思い立ち、ジュリアに頼み人伝で宿に帰らない事はフレイヤに伝えてある。
 勿論その後はまた2人で爛れた夜を過ごしたのだが。
 しかしそのようなことまで伝える必要がある事自体が、まるでフレイヤやサリアと本当の家族になったようで不思議な気分にさせられる。
 だがまあ、もうただの宿の宿泊客ではないのは確かだろう。
 彼女達だけでなく、ルルナやエミリア、そして今目の前にいるジュリアに対しても、何か奇妙な義務感というか責任感というか、そのような物を感じるようになっている。
 僅かな時をこの都市で過ごしただけなのに、不思議なものだなと感じる。
 ジュリアが声をかけてくる。
「朝食の準備が終ったから、これを食べたら孤狼の森に出かけようか。何か準備などは必要かい?どうやら服の一部が穴が開いているようなんだが」
 スレイは畳まれて置かれた自分の服を見て、そういえば、昨日ジャイアント・ワームの酸で一部が溶けていたなと思い出す。
「いや、かまわない、どうせこのまま探索に行くのだからな。製法が多少特殊なただの革のジャケットだし防御効果は元々少しだけだ。孤狼の森から帰ってから、新しい装備は調達することにするよ」
 装備にすら無頓着なスレイにジュリアは微妙に溜息を吐く。
「それじゃあ、早速朝食を食べようか、何せ腹が減っては戦ができない、というからね」
 スレイは服を着ると、ジュリアと2人でジュリアの作った朝食を食べる。
 そして、ところでと話しを切り出す。
「もう痛いのは完全に大丈夫なのか?治癒魔法で回復させてすぐに治まったようだが、昨日の最初の痛がりようはかなりの物だったと思うんだが」
 スレイのデリカシーの欠片も無い発言に拳が飛ぶ。
 軽く躱すスレイ。
「しかし意外だな」
 朝食後、スレイはゆったりと食後のコーヒーを飲みながらジュリアに話しかける。
 食事の後すぐ出ようかと思っていたのだが、食後すぐでは逆に行動に妨げが出るから、暫く休息して落ち着いてから出ようとジュリアが提案してきたのだ。
 それもそうかと思い、今はお腹のものの消化を待っているのだが。
 スレイの突然の言葉にジュリアが問い返す。
「何がだい?」
 聞かれたのでスレイは答える。
「いや、ジュリアがこんなに本格的に料理ができることがな、あまりそういうイメージが無かったものだから」
 ジュリアは立派に実った胸を張って答える。
「正直料理の腕には自信があるよ。ただ探索者なら軽いサバイバル料理くらいなら誰でも、それこそ君がすぐ前に組んでた貴族のお嬢様でも作れるんじゃないかな?サバイバル料理なら探索者としては基本だろう?」
 言われてみればそうかと、スレイは納得する。
「そういう君はどうなんだい?旅をしてきていきなり探索者になったんだろう?旅の中ででも料理を覚えたのかな?」
 スレイは否定の言葉を返した。
「いや、俺の場合はサバイバル料理もできないな。普通に携帯食を買って喰うか、適当に取った魚や動物の肉をただ焼いて喰うか、果実などを取って喰うかしていた」
 ジュリアはやや引き攣った顔をする。
「そ、そうか。今度基本的な料理を教えてあげようか?」
 軽く頷いてスレイは答えた。
「ああ、機会があればよろしく頼む」

【孤狼の森】
 あれから食後の休みでお腹が落ち着いた後2人は慎重に、人に見られないようにしながら都市を抜け出していた。
 都市近郊にある森の近くにやって来ると、道の先にはやはりギルドの見張りがいるようなので、それこそ道なき道を歩き、遠回りして、孤狼の森の内部へと侵入する。
 上手く孤狼の森に入り込むことに成功した2人。
 だが一息吐く暇も無く、突然それは現れた。
「キラー・ビー、個体としてはそれほどでも無いが、その集団での行動によってS級指定されているモンスターか」
 スレイはゆったりと構えながら言う。
「ああ、あれは剣で戦うには結構キツイ相手だと思うよ?統制がとれていて、行動自体も素早く、何より猛毒を持っているから刺されるのは危険なのに、一体一体が小さく捉えるのが困難だ」
 ジュリアは暗に魔法による攻撃を示唆した。
「それで、ジュリアの使える魔法はどんな魔法があるんだ?」
 ジュリアは僅かにうろたえる。
「正直、攻撃魔法はあまり。聖属性の場合、攻撃魔法は例外はあるけど下級ぐらいがせいぜいだから。私にその例外は使えないし、だから浄化魔法や回復魔法が殆どかな」
 納得したように頷きスレイは続ける。
「そうか、別に剣でも倒せない相手では無いと思うが、せっかくのチャンスだ。この際炎の魔法の制御に慣れておこうかな?」
 そういうとスレイは思考加速と思考分割を行い、魔法の構成を瞬時に編み、同時に詠唱をこなす。
 高速で飛び、遠い位置からどんどんと近付いて来ていたキラー・ビーの大群の手前に、炎でできた魔法陣が現れる。
 キラー・ビー達はそのまま突入してくるが、触れて燃え尽きたのは中央に位置どっていた一部のキラー・ビー達のみである。
 そのまま残りのキラー・ビー達はスレイ達目掛け高速で迫ろうとする。
 ジュリアが思わず剣と盾を構えたその瞬間、魔法陣が崩れ、無数の炎弾となり一匹一匹のキラー・ビーを追尾し全て燃やし尽くす。
 逃れようとしてもその速さもキラー・ビー以上で、完全なホーミング性能を備えた炎弾は一匹たりとも逃さず完全に焼滅させる。
 そしてキラー・ビーの大群は全滅していた。
 ジュリアは思わずスレイに訊ねる。
「今の魔法は?」
 スレイは淡々と答える。
「炎の中級魔法の一つ、ホーミング機能付きのフレイム・バレットだ」
「あの炎の魔法陣を敵のすぐ前に出して一部を燃やした意味は?」
「あれは、魔法の師の趣味だ。魔法はアートだそうで、何時でも格好良く使えてこそ強いのが当然だと言うことだ」
 どこか疲れたように話すスレイ。
 ジュリアは呆れた声で言う。
「確かに中央の敵を焼き尽くしたし無意味ではなかった上、あのように敵を待ち構える魔法というのも悪くはないが……今回の場合はただそのフレイム・バレットで全部焼き尽くせば良かったんじゃ?」
 炎の精霊に感謝の念を送り喜びの思念を感じていたスレイは、ジュリアに向かって言った。
「師の魔法の使い方が染み付いてしまってな、どうしても魔法を使う時には少々ああいう派手な事をしてしまう」
 ジュリアがおかしそうに笑うのに罰が悪そうな顔をすると、スレイは歩き始める。
「それではとっとと進むぞ、薬草の場所は分かっているのか?」
 昨日は存分に爛れた夜を過ごした為、孤狼の森での行動の計画を話し合う暇が無く、話し合えたのはせいぜい対天狼対策で、どうやったら出会わずに済むか、出会ったらどうやって逃げ出すかなどといった物ばかりなのだ。
 結局、天狼に関してはこれといった対処法はどちらも考え付かなかったのだが。
 ともかく薬草の場所や、どうやってそこまで行くかに関してはスレイは何も知らない。
 ジュリアはスレイを慌てて追いかける。
「ああ、目当ての薬草がある場所は森の中心部だ」
 ピタリとスレイの足が止まる。
「地図か何か、森の道が分かる物はあるのか?」
 ジュリアは困った顔をする。
「実はそういう物は無い」
 スレイのこめかみが引き攣る。
「つまり行き当たりばったりだと」
 ジュリアは恥ずかしそうに怒ったように答える。
「ああ!仕方無いだろう!ここは禁足地だから地図なんて物は手に入らないんだよ!ほら一応森の入り口にマーカーはしておいたから、帰りは比翼の首飾りで一瞬だ、あとは森の中央を目指すだけだから」
 スレイはくるりと振り返る。
「帰る」
 慌ててジュリアはスレイを制止した。
「ちょっ、ちょっと待った。それはないだろう?」
 スレイはこめかみに指を当てて立ち止まる。
「あまりに無謀すぎるだろう、それは?」
「だ、だって、それは。あの知人には本当に世話になっているし、どうしても薬草を手に入れたかったんだ。頼れるのも今回ばかりは君しかいなくて」
 そんなジュリアの様子に、自分もようようお人よしだと思いながら振り向き、ジュリアの横を通り過ぎ森の奥へと進み出す。
 不思議そうなジュリアに肩をすくめて促した。
「ほら行くんだろう?さっさと来い」
 スレイのそんな姿にジュリアはどこか強張っていた顔を緩めて笑顔で言う。
「あ、ありがとう。本当に助かる」
「まあ、もう報酬も前払いで貰ってしまった事だしな、最後まで付き合うさ。それに自分の女が困っているのに放っておくというのも無いしな」
「ば、バカ、恥ずかしいだろう。全く君は」
 ジュリアは顔中を赤く染めながらスレイの後に続くのだった。

 いくら行き当たりばったりと言っても全くの無計画というわけではなかったらしい。
 あの後ジュリアは方位磁針を取り出し、森のほぼ西の端から侵入したので、とりあえず東へ向かって進もうと提案してきた。
 もし森に何らかの魔法がかかっていたり、特殊な地場だったりした場合には、方位磁針は全く役に立たなかっただろうが幸いなことに、天狼が棲みS級モンスターがそこら中に生息しギルドから禁足地指定を受けているにも関わらず、この森はそういう場所ではなかったらしい。
 方位磁針は正常に機能している。
 これには持って来たジュリアも、役に立つ可能性は低いと考えていたという事で驚いていた。
 そう言えば島国ディラクにある、神々に匹敵するEX級の神獣である九尾の狐が棲むという言い伝えがあるとある樹海は、まさにそういう道具がそれこそ魔法によって作られた高位の物でさえ役に立たない場所だという話があったな。
 ふとそんな関係の無い思考がスレイの脳裏に浮かぶ。
 2人は足場の悪い森の中を黙々と進んで行く。
 そうして進み続けると獣道らしき僅かに開けた場に出るが、方向的には南北へ通っているものだったのでそのまま横切ろうとする、だがふと気配が変わる。
 スレイが2振りの刀を引き抜き、僅かに遅れてジュリアも神殿騎士の剣を抜き盾を構える。
 そうして森の奥からそれらは現れた。
 5メートルはあるだろう巨大な体躯を誇るS級モンスター・鬼熊が、3匹程も群れてこちらに対して威嚇の体勢を取っている。
 鬼熊とはディラクに生息している固有のモンスターである妖怪の一種であり、神々がモンスターの出現を仕掛けている迷宮内ならともかく、大陸の自然な森の中にそれらが存在していたことにスレイは驚く。
 やはり神々が創った迷宮都市の近くと言うことで、生態系にも何か影響が出ているのかも知れない。
 そのようなことを考えながらも、そのまま身体は自然と動いていた。
 ジュリアは突然目の前で起きた事に驚く。
 すぐ横に刀を引き抜き構える事もなくぶら下げて立っていた少年が、そのまま何の予備動作も見せずに一瞬で消え去り、気付いた瞬間には一匹の鬼熊の心臓に既に刀を突き刺している。
 ジュリアには捉えることもできなかった超高速の移動に構えも予備動作すら無かったこともそうだが、次の瞬間には剣が既に敵に刺さっていたという事は移動のみならず攻撃の予備動作すらも無かったということだ。
 ジュリアとてS級探索者として様々なモンスターと戦い、自分と同格以上の相手と組んだ事もある。
 だがとてもではないが、このような真似ができる者など見た事がなかった。
 ジュリアがそのように考えている間にも戦いはまだ続いている。
 心臓を刺された鬼熊は、それでもなお下から掬い上げるように爪での攻撃を行う、だが次の瞬間にはスレイは鬼熊から少し離れた地面に衝撃音をさせながら這うように着地していた。
 攻撃が当たった訳ではない、スレイは瞬間的にバックステップで飛び退り鬼熊の爪を回避していたのである。
 その際、思っていた以上の速度で後方へと飛び退ってしまった為、自ら地面へと這うような姿勢で急停止したのである。
 無拍子の効果で全ての動作に構えも予備動作も必要なく、今まで以上に早く動け、行動間にタイムラグが全く生じず、更に予備動作無しのバックステップの際に予期せず軽く最大速度が出てしまったことから、スレイは無拍子への評価を改める。
 どうやらこれは予想していた以上に自分に合った特性らしいと。
 それらの思考は刹那で行ったもので、またジュリアにも鬼熊達にも一瞬地面を這う姿を見せただけで次の瞬間には消え去り、そして先ほど心臓を突き刺した鬼熊の首を、ジュリアや他の鬼熊が何も反応できない内に切り裂き刎ね飛ばしていた。
 ほんの一瞬地を這う姿を見る事ができただけで、それ以外は何も知覚できなかったまさに神速の動作。
 ジュリアはそれに胸を高鳴らせる。
 想像以上にスレイの戦う姿は魅力的だった。
 自分がこの青年を選んだのは間違いでは無かったと、完全に確信できるほどに。
 そんなジュリアにスレイが声をかける。
「おい、何をしている?ジュリアは戦わないのか?このままなら俺が一人で倒してしまうが」
 そして次の瞬間には、やはりジュリアには何も知覚する事ができない神速の動作で以って一匹の鬼熊の首を刎ね、その背後に立っている。
「待ってくれ。君ばかりに戦わせるのも何だしな、何より私の実力も知っておいてもらいたい、最後の一匹は譲ってくれまいか?」
 仮にもS級モンスター相手にこの余裕の会話。
 スレイもジュリアも能力値的にはS級相当探索者だが、その枠内に収めるには少々規格外の存在のようだった。
 現にジュリアもそこから、スレイのように残像も残さずとは行かないが、無数の残像を後方に生み出しながらの高速移動で鬼熊の前に出る。
 鬼熊が反応して爪での攻撃を繰り出すのに、S級の筋力で以って、盾、バックラーを思いっ切り正面から鬼熊の爪に叩きつける。
 神殿騎士の装備は、剣も鎧も盾も全てオリハルコン製である。
 オリハルコン製のバックラー、そしてS級相当の筋力、それらが揃った上でのバックラーでの思いっきり叩きつける攻撃を受けた鬼熊の腕は潰れ、鬼熊自身も思いっきり弾き飛ばされる。
 そんな鬼熊を追い、残像を残しながらのスピードで鬼熊の身体に追いつくと、ジュリアはバスタードソードを掲げ真上から振り下ろし、その一撃で以って鬼熊を真っ二つに切り裂いていた。
 そうしてスレイを振り返るジュリア。
「どうだったスレイ君、私の戦いぶりは?」
「なんていう力技だ、俺にはその戦い方は真似できんな。あまりジュリアのことは怒らせないように気をつけよう」
 スレイは呆れたようにぼやいた。
 ジュリアはかすかに拗ねたような反応を見せる。
「それが女性に言う言葉かい?」
 そして続ける。
「それに真似できないというなら、君の戦闘こそ正直殆ど何も見えなかったよ、いったいどうやったらそんな真似ができるんだい?」
 スレイはもう全能力値を見せている為に別に隠す事でもないかと思い、そのまま正直に答える。
「ジュリアも見ただろう?中級職になって得た無拍子という特性が思いの他使えるようでな、元々の能力値のスピードや闘気術と魔力操作の強化に加えて、全ての予備動作を消し構えも無くしたら信じられん程速く動くことができた。攻撃も溜めが要らずに最大威力を出せてな、これはなかなか便利な特性だ」
 ジュリアは呆れた顔をして溜息を吐いた。
「ふぅ、これが鬼に金棒というやつなのかな?どうやら君は君にとって最善の特性を手に入れたようだね。これでまだ能力値としてはS級相当と言うのだから、これから先の成長を思うと末恐ろしいよ」
 そうして互いにある程度相手の戦闘力を把握した2人は、そのまま先へ進んで行くことにした。

 迷う事なく前進を続ける2人だが、やはり森の奥へ行くに連れS級モンスター達がどんどん襲い掛かってくるようになっていく。
 今現在は大量の猪のS級モンスター・ヴルスが四方八方から押し寄せて来ていた。
 スレイの超高速の斬撃の衝撃波で吹き飛ばし、ジュリアのバックラーとバスタードソードを用いたパワー溢れる戦闘術で対抗しているが、あまりの数の多さに流石に辟易としてくる。
 スレイがジュリアに頼む。
「すまないジュリア、少し時間稼ぎをしてくれないか?思考分割で強化を使いながらも魔法の構成はできたんだが、集中して呪文を唱える時間が欲しい」
「どんな魔法なんだい?こいつらを一掃できるようなものなのかな?」
 ジュリアが問い返す。
 ああ、とスレイは頷く。
「魔法の師が使用していた雷魔法を炎魔法に応用してみようと思う、精霊王の加護も考えれば恐らくここら一帯のヴルス達は一掃できるはずだ」
 ジュリアは頷くと、そのまま力任せに360度の周囲全ての近くにいたヴルス達を、バックラーでもって力任せに一気に薙ぎ払う。
 その薙ぎ払われたヴルス達に他のヴルス達も行動を邪魔され、一瞬周囲は空白状態になる、そこにジュリアも前もって構成していた防御魔法の呪文を唱え、暫くはヴルスの突撃にも耐えられるだろう聖属性の防御壁を周囲に張る。
「ほら、これで時間は稼いだぞ。その魔法とやらを使ってくれ」
 思考分割を持たないジュリアが防御魔法の構成を終えていたという事は、つまりあのジュリアの力は闘気術を使用していない、強化の無い素のままの力だったという事実に気付き、スレイは少々驚きで固まる。
 だが防御壁に突撃してくるヴルス達の様子を見て、あまり保たないだろう事に気付くと、すぐさま炎の魔法の呪文を唱え発動させる。
 天空に巨大な炎の魔法陣が展開した、そして魔法陣から無数の炎の龍が雨のように降り注いだ。
 炎の龍はヴルス達だけを狙い焼き這い回り、焼滅させていく。
 炎の精霊達により高度に制御された魔法は、決して周囲の木々を燃やしたりはせず、スレイとジュリアに僅かな熱も感じさせない。
 圧倒的な火力の暴虐が終った後そこに残っていたのは、元の静かな森と炭と化したヴルス達だけだった。
「なんというか、壮絶だな……」
 ジュリアの呆れたような声が耳に痛い。
 今になって落ち着いてよく考えてみれば、ジャイアント・ワーム戦の時のように、ただ火力だけの初級魔法なら、時間稼ぎすら必要なく瞬時に発動できたのだ。
 それが今のような派手な魔法の使用法に楽しみを覚えてしまった辺り、魔法の師の影響を確実に受けている自分を見つけて密かに落ち込むスレイだった。
 そうして2人は更に森の奥へと踏み入っていった。


面白いと思ってもらえたらどうぞ宜しくお願いします。



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