先週、アメリカのオバマ大統領が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談したことに強く反発している中国は、チベットに軍が進駐してから60年となるのを記念する大規模な式典を開き、チベットの独立を目指す動きを徹底して封じ込める姿勢を強調しました。
中国チベット自治区の中心都市ラサでは、19日、中国の軍が進駐して60年となるのを記念する大規模な式典が開かれ、習近平国家副主席が出席しました。この中で習副主席は、先週、アメリカでオバマ大統領と会談するなど活発な外交活動を続けているダライ・ラマ14世について「チベットの独立を目指す動きで、祖国の統一を脅かしている」として強く非難しました。そのうえで「統一を損なう企ては打ち砕かなければならない」と述べ、こうした動きを徹底して封じ込める姿勢を強調しました。ラサでは今月に入って、軍の進駐から60年を記念するさまざまな行事が相次いで行われており、その様子を中国中央テレビなどの国営メディアが連日伝えています。しかし一方で、ラサへは先月下旬から来月上旬まで外国人観光客の立ち入りが禁止されているほか、現地の住民によると、市内は厳重な警備態勢が敷かれているということで、中国政府は、チベットの独立を求める運動が活発になることに神経をとがらせています。