鹿児島県・馬毛島(西之表市)への米軍艦載機陸上空母離着陸訓練(FCLP)移転問題で、地元の種子島の住民団体「自衛隊訓練施設設置の推進を求める会」(中原勇代表)は15日、移転反対を表明している長野力市長と市議会に対し、防衛省が計画するFCLP移転を前提とした馬毛島への自衛隊施設設置を求める陳情書を提出した。
陳情書は「日米同盟は重要。防衛省の説明では騒音の影響はほとんどなく、自衛隊施設の設置は島の活性化につながる」として硫黄島(東京都)からのFCLP移転を容認。漁業補償などを条件に、市も国や県に設置を求めるよう訴えている。
求める会は建設業者や商店主ら約20人で9日に結成。具体的な行動を起こすのは今回が初めて。
中原代表は市役所で長野市長に「防衛省の計画に賛同する。協力をお願いする」と陳情書を手渡した。市長は「陳情は残念。受理するが、市の反対姿勢は変わらない」と述べた。
陳情後、中原代表は「島には移転賛成派も多い。署名活動で推進を訴えていく」と語り、長野市長は「賛成の市民も増えるだろうが、それ以上に反対派がいるので危機感はない」と語った。
=2011/07/15付 西日本新聞夕刊=