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【サッカー】

なでしこ世界制覇 沢 4冠女神

2011年7月19日 紙面から

日本―米国 延長後半、同点ゴールを決める沢(右)=フランクフルト(共同)

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 【フランクフルト原田公樹、浜田恵子】2011年女子ワールドカップドイツ大会は17日、当地で決勝を行い、なでしこジャパンは米国と120分間を終えても2−2で決着が付かない死闘を繰り広げ、PK戦を3−1で制して初優勝を飾った。世界選手権時代を含め、今回で6回目を数える女子W杯で、欧米以外のチームが優勝するのは初めて。日本が国際サッカー連盟主催大会で優勝するのは男女を通じて史上初の快挙となった。沢は大会得点王、大会最優秀選手に選ばれた。

 主将の沢が誇らしそうに重さ1・8キロのW杯優勝トロフィーを高々と持ち上げると、チームメートから歓声が上がった。次いで会場全体が歓喜に包まれ、天井からは無数の「金」のテープが舞い降りてくる。

 「イメージ通りでした」

 青一色のユニホームを着て、トロフィーを持ち上げるイメージを思い描いていたが、その通りのシーンだった。

 18年前、15歳で代表デビューを飾ったときには、想像もつかなかった世界の頂。そこへ一歩一歩近づき、徐々に膨れ上がってきたイメージがついに現実となった。

 「粘り」。そのひと言に尽きる。1−2で迎えた延長後半12分、日本の敗北が目の前にちらついて見えた土壇場で得た左CK。沢は難易度Cの同点ゴールを決め、PK戦へ持ち込んだ。

 「(宮間)あやと目があった。『ニアに蹴るから』と言うから、じゃあ私が入るって…」

 宮間からの左CKのボールに対し、沢は一直線に走り込み、ジャンプして右足で押し込んだ。

 「右足のアウトでした。でも自分が点を取ったかどうか分からなくて…(苦笑)。でも場内がワァ〜となったから入ったんだと。本当にみんなが最後まで諦めずに走り続けた結果のゴール。みんなに感謝しています」

 このゴールで大会通算5得点とし、単独での大会得点王(ゴールデンブーツ)も獲得。さらに今大会の最優秀選手(ゴールデンボール)にも輝いた。チームとして優勝、フェアプレー賞の受賞も合わせ、沢は4冠達成を成し遂げた。

 優勝から一夜明けた18日、胸に金メダルを下げた沢は「さっき試合の映像を見たんですけど、まだ(優勝した)実感はないです。日本に帰ってからだと思います」と笑みをこぼした。

 優勝できた理由を問われると、「若手が伸び伸びやっていたし、中堅がすごく頼もしくなった」と話す。佐々木監督と選手との間に入り、個々の選手たちが力を発揮しやすい環境や雰囲気をつくり出した。冗談が絶えない佐々木監督と、人格者である沢がいたからこそ、勝ち得た金メダルだろう。

 いま32歳。現役も代表も引退するつもりはない。次の目標はロンドン五輪だ。「やっぱり欲が出ちゃう。ロンドンでもメダル取りたいです」。1年後、再び世界の頂点に立ち「2連覇」を達成するつもりだ。 (原田公樹)

 

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