大阪市西成区のあいりん地区にあり、周囲をフェンスで閉鎖されていた萩之茶屋北公園が18日、15年ぶりに住民らに開放された。「ホームレスを住み着かせないように」との市の措置だったが、周囲の子育て環境が改善され、「封印」が解かれることになった。
「これからはここで野球ができる」。公園の西向かいにある市立萩之茶屋小学校6年の男児(11)は18日、開放記念のイベントでこう言って笑顔を見せた。
同公園は、大阪市が1963年に整備。だがホームレスらが住み始めたため、76年に金網で囲んで施錠し、利用を制限した。鍵を管理する地元住民らの公園愛護会が高齢化で96年に解散してからは、「完全閉鎖」に。開放を求める声はあったが、公園西側に並ぶ屋台で覚醒剤が密売された事件などもあり、子育て環境の面から見送られた。
しかし市は09年12月に屋台をすべて撤去。周囲でホームレスの姿も減ったことから、地元町会や労働者支援団体などが「開放しても野宿に使われる可能性は少ない」と市に提案した。市は午前8時〜午後7時まで開放し、今後新しい遊具やベンチなどを整備する。(佐藤達弥、南出拓平)