酒に酔った女子学生に集団で性的行為をしたとして09年、無期停学処分になった京都教育大学(京都市)の男子学生4人が、大学の処分の無効確認を求めた訴訟の判決が15日、京都地裁であった。男子学生らは集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕されて起訴猶予処分になったが、杉江佳治裁判長は「(性的行為には)女子学生の同意があった。本件は集団準強姦事件ではない」と認定。そのうえで「男子学生の言い分を考慮せず、合理性がない」と全員の処分を無効とし、1人10万円の慰謝料支払いなどを命じた。
09年2月にコンパで酔った女子学生に居酒屋で性的暴行を加えたとして、京都府警が同6月、当時3~4年生の男子学生6人を集団準強姦容疑で逮捕した。示談が成立し、京都地検は6人を起訴猶予処分にした。
大学は女子学生から相談を受け、府警に通報せず内部調査。同3月、性的行為を問題視して6人を無期停学処分に。起訴猶予処分後の同7月には、女子学生の卒業が見込まれる11年3月末まで処分を見直さないと決めた。処分に対し4人が09年8~11月に提訴し、2人は経済的理由などから提訴を断念した。
判決は「大学は当初から男子学生を隔離し、女子学生の修学を支援する立場を固めていた。男子学生は卒業や就職への活動が阻害されるなど著しい不利益を受けた」と大学側の対応を批判した。
判決後、磯谷昇太さん(24)▽上田拓さん(24)▽田中康雄さん(23)と、原告に加わらなかった竹田悟史さん(27)が会見。それぞれ「不適切な行為だった」と謝罪したうえで、上田さんは「集団準強姦という卑劣な行為はなかったとの判断に安堵(あんど)でいっぱい」と話した。
同大学は「判決内容を詳細に検討したうえで方針を決定する」とコメントした。【成田有佳】
毎日新聞 2011年7月15日 23時26分