元Ｘメンバー・ＴＡＩＪＩ死亡　サイパンで自殺図り意識不明で…

　【サイパン共同】ロックグループ「Ｘ」（エックス＝現Ｘ　ＪＡＰＡＮ）の元ベース奏者で、拘束先の米自治領サイパン島で自殺を図り、重体となっていた沢田泰司容疑者（４５）が１７日、収容先のサイパンの病院で死亡した。地元関係者が明らかにした。

　地元警察などによると、沢田容疑者は１１日、成田からサイパン島に向かう航空機内で乗務員に暴行、窓や座席をたたいたり蹴ったりしたとして逮捕された。１５日にサイパンの裁判所で審理が予定されていたが、警察の拘束先で１４日に自殺を図って病院に搬送され、集中治療室で意識不明の状態が続いていた。

　沢田容疑者はＸを脱退した後も、ＴＡＩＪＩなどの芸名で活動していた。

　関係者によると、沢田容疑者はサイパンに知人がいて、最近は曲作りのなどのために頻繁にサイパンに出掛けていたという。

　沢田容疑者は千葉明徳高校時代からバンド活動をはじめ、１９８６年に同じ千葉出身のＹＯＳＨＩＫＩに誘われ「Ｘ（現Ｘ　ＪＡＰＡＮ）」にベーシストとして参加。しかし、ＹＯＳＨＩＫＩとの確執などから９２年に脱退した。同年にロックバンド「ＬＯＵＤＮＥＳＳ」に加入したが、まもなく脱退。その後は音楽活動から遠ざかり、一男一女をもうけた妻とも離婚。ホームレス生活を送ったこともあった。バイク事故で足に大けがをしたり、脳梗塞（こうそく）に見舞われたり、波乱の人生を送った。

　しかし、２００９年ごろから音楽活動を再開し、昨年８月には横浜・日産スタジアムで開催された「Ｘ　ＪＡＰＡＮ」のコンサートにゲスト出演。ＹＯＳＨＩＫＩ、ＴｏｓｈＩらと１８年ぶりの共演でファンを盛り上げた。

　公演前の会見では「今は亡きＨＩＤＥの名のもとに、この２人と共演できるのは身に余る光栄、この先もできれば続けたい」などとＸ　ＪＡＰＡＮ復帰への意欲もアピールしていた。

　Ｘ　ＪＡＰＡＮのリーダーＹＯＳＨＩＫＩは、自宅のある米ロサンゼルスで、沢田容疑者の訃報に接した。関係者によると、ＹＯＳＨＩＫＩは大変動揺しており、自分の目で死を確認するまでは信じられないといった状況という。

　昨年８月に日産スタジアムで開かれたＸ　ＪＡＰＡＮのライブで１８年ぶりに再会した旧友の早すぎる死。ＹＯＳＨＩＫＩは詳しい状況が分かり次第緊急帰国し、沢田容疑者と悲しみの対面を果たすことになりそうだ。

　◆ＴＡＩＪＩ　本名沢田泰司（さわだ・たいじ）。１９６６年７月１２日生まれ。千葉県市川市出身。高校時代からギタリストとしてバンド活動をはじめ、８６年にＸ（現Ｘ　ＪＡＰＡＮ）にベーシストとして参加。９２年に脱退した。同年ＬＯＵＤＮＥＳＳに加入、９３年脱退。９４年にリーダーとして「Ｄｉｒｔｙ　Ｔｒａｓｈ　Ｒｏａｄ」を結成、９６年に活動停止。０９年から活動を再開し昨年夏、Ｘ　ＪＡＰＡＮの公演にゲスト出演。今年２月に新曲を発表した。